前園真聖と中田英寿の対談 2009
<スタジオ>
女性:続いてはスペシャル企画です。前園さん、遂に中田英寿さんが「ネオスポ」に登場ですね。
前:やっとですか。この番組ではもうずっとオファーしていたんでね。楽しみですね。
男性1:本当に楽しみですね。
男性2:何年来の付き合いなんですか。
前:もうかれこれ13年ぐらいになりますね。結構長いんですけど、今回は今現在の中田英寿の活動、それとワールドカップ、日本がどうやれば勝てるか。そのあたりも聞いてきたので、ごらんください。
<今年最後 スペシャル対談…>
ナレ:世界のナカタ、遂にネオスポへ!ついに実現、ビテ&ゾノ対談。
ナレ:サッカー元日本代表、中田英寿。ワールドカップ3大会に出場し、日本のみならずイタリアなどの海外クラブで活躍。2006年引退後も、常にその活動には注目が集まっている。
前園と中田はアトランタオリンピック(1996年)に出場。それ以来、お互い兄弟のように付き合ってきた。
前:今、日本旅してるでしょう。ずっと旅している中で、これからどういうことをやっていこうというふうに、ヒデの中で思っているのかというのを。
中:僕、基本的に現役引退しているし、特別に会社に勤めているわけでもないから、好きなことはできるんだよね。だけど、日本の旅、面白い。
前:でも、地方でさ、いろいろ素晴らしいものたくさんあるじゃん。俺、あれだけ見ていても、全然知らないなって思うものいっぱあるから。
中:そう。だから農作業やったり、あと伝統工芸作りに行ったりとかね、面白い、これは。
前:逆にちょっと、日本にいる中で、逆に日本から見た世界なんていうのは、どういうふうに映るの。日本との違いみたいなところでもいいし。
中:日本と世界の違いというのは、日本はすごく便利だなって、日本にいると思う。だから、考えることをあまりしない人が多いんじゃないかな。
ナレ:一方で、日本人が世界で活躍するために必要なことは何なのか。
前:日本人が逆に日本から世界へ出ていく、活躍するために何が必要かというのを。技術的なことでもいいし。
中:まず、技術的には、日本人はうまい。絶対にうまいと思う。昨日とかね、バルセロナの試合見ていたの。バルセロナのちょこちょこ回すサッカーって、何にすごく似ているって、日本代表が試合前日にやるミニサッカーに似ているの。
前:ああ、そうだね。
中:みんなちょこちょこテクニック使って、ぽんぽん回して、現役のときから、何でこいつら、こんなに上手いんだろうって思って自分もやっていたぐらいなんだけど、それぐらい日本人はうまいんだけど、それを試合で使えない。
ナレ:日本人は上手いが、試合では力を発揮できない。一体何故なのだろうか。
前:何で。
中:圧倒的に俺は、メンタルのまず弱さがあると思う。それと、駆け引きがあんまりうまくないのね。だから何か、それがどうしても、悪く言えばチーム仲よくいい子ちゃんムードであり、本気を出すときと抜くときの切り替えというのがあまりうまくないのかなという気は。
ナレ:では、一体どうすれば世界と戦えるのか。
前:どうしていけば、日本人はそうやって世界でもっとパフォーマンスできるかというのは、どう思う?
中:多分、選手にそれを言っても、これは社会の成り立ちとか学校の教育とかでもあるのかもしれないし、どちらかというと、指導者の問題かなという気はする。
前:選手だけじゃなくて。
中:うん。
前:じゃ、指導者になりゃいいじゃん。
中:面倒くさいもん。自分が100言って100やってくれればいいけど、何か自分が選手だったから、自分のところにゾノがいたら、使いづらいな、こいつ。言うこと聞かねえしって絶対思うだろうし。
前:違うストレスみたいなの溜まるよね。自分がやった方がいい。
中:何でやらなきゃいけないのって絶対思うもん。多分、ラモスさん思ったよ。「前園、来たはいいけど、聞かねえな、言うこと」って。
前:連れてきたはいいけど、みたいな。
中:こいつ言うこと聞かねえし、攻撃から守んねえよとか。
前:守ってた、必死に。1分ぐらい走って、バテたら交代して、その繰り返し。超キツい。
中:1回ビーチサッカーをまともにやってみたい。やったことなくて。
前:ちょっと、今の……。
中:遊びですよ、遊びですけれど。何故かと……。
前:ラモスさん聞いたらヤバいよ、すぐ電話来るからね。「(モノマネで)ヒデ、やれよお前よ。お前元気過ぎだよ
って言うと思うよ。
ナレ:ちょっと話は脱線したが、いよいよ来年はワールドカップイヤー。
前:来年、ワールドカップあります。日本も組み合わせ決まりました。どうですかね。
中:正直、対戦相手どこだろうと、簡単なチームないし。
前:ないよね。
中:特に今のこの現代サッカーで、このチームだからこうやったら勝てそうな勝算上がるというのはまずない。もうメンタルの部分がどうチームとしてまとまるか。精神的にどのレベルに上がれるか。それが多分、全部じゃないかな。精神的にどこまで上げられるかというのが、多分日本にとっては一番のキーじゃないかなとは。
ナレ:未だ衰えぬゾノとの名コンビを見せてくれた中田。
前:いやもう、本当にね。まず、こんなにスタッフがいたのが初めてだし。
中:ああ、そう。
前:そうですよ。それだけ中田さんにね、ぜひ出てほしいというオファーがずっと。
中:いや、テレ東から話聞いたことないですからね。
前:送っていたんですよ。俺はもう「無理だよ」と。
中:僕はダイヤモンドサッカーの頃から見ていましたから。
前:おお。
中:じゃ、今日はありがとうございました。
前:それで終わり?
中:(スタッフに)前園さんのインタビューはこんな感じですか、いつも。
前:いつもこんな感じですよ。
中:ああ、そうなんですか。じゃ、来年の抱負で締めてください。
前:来年はまたいろんな活動をしながら、中田選手テイクアクション、また……。
中:(手刀の形で前園の頭を軽く叩きながら)俺の発言じゃん、それ。
前:もっともっと日本にパワーをこう送っていけるように、僕も一緒に頑張りたいと思います。
中:サッカー界も含めてね。
前:そうだね。
中:盛り上げないといけないんで、来年もちょっと頑張っていきましょう。
前:引退した選手でも、いろんなことができるということをね。
中:現役じゃないですか、今。
前:ありがとうございました。
中:ありがとうございました。
ナレ:収録後…
スタッフ:ありがとうございました。
前:(会釈しながら)後ほど……。
中:あんたも行くって。
<スタジオ>
女性:面白い。中田選手ってすごくクールなイメージありましたけど、今までに見たことないくらい、すごく楽しそうな雰囲気でしたね。
前:本当に普段会っている感じの雰囲気で話をできたので、非常に楽しかったですね。多分、見たことのない素顔とか表情見れたんじゃないでしょうかね。
男性1:ビーチサッカーなんて話もありましたね。
前:そう。ヒデもやる気だと思うんでね。
男性1:ちょっと楽しみじゃないですか。
前:ラモスさんに電話して誘わないかなと。
女性:見たい。
男性1:ぜひ今度はスタジオにお越しいただければと思います。お待ちしております。
―了―