落合監督が語る日本一への道
「だからそれに対して、あの~なんていうの、まぁ来年になるけども、5年間このチームを例えば指揮した。それで、もう1回やってくれよって言われれば、分かりましたってやるだろうし、お疲れさんって言えば、はい、ありがとうございましたって。こういう場を与えてくれて。で、一応その監督っていう立場、その仕事をしながら自分でも色んな事をその~、勉強にもなってるし、だからみんなやめる時っていうのは恨み、辛み言って辞めて行くじゃない?俺4球団歩いて来たけども、その恨み辛み言った事は1度もないよ」
「うーん」
「この狭い業界だからまたどこで世話になるか分からない。だから、辞め際だけはキレイに?やめようと思ってるし、だから、そこをなんていうの?あの~これはうちのコーチ連中にも言うんだけども頼むからお前ら、選手の方を向いて野球をやってくれと。球団、フロントを向いて絶対野球やらないでくれと」
「うーん」
「で、それだけはお願いしてあるしね。だから、何て言うのかな、こう、自分の中の割り切りかた?ここが出来るか出来ないかじゃないのかな?」
「これ何が来たの?」
「は~い。こちらの赤いボタン押してください。」
「え?赤だろ?」
落合監督は選手にとってどんな人なのでしょうか?
「まぁ、結果を残さないのはダメだっていう感じですね。出来なかったらファームに行かされますし、
出来るんだったら1軍においてくれる監督だ。そういう所ははっきりしてる監督だと思います」
厳しい?
「そうですね。はい。」
「監督さんは、なんていうんですかね?僕が本当すごい変なピッチングをしてても根気良く使っていただいてるんで、また来年はもう少し計算出来るようなピッチャーになって、少しは監督をそうですね、安心安心させれるようないいかなと思ってますけど。はい」
「1年目より2年目、2年目より3年目と、どんどんしゃべらなくなって行ったというか、怖いですけどね。怖いですよ。やっぱ何か言っていただいた方がね、楽ですけど、何も言わないっていうのはやっぱり怖いですよね。どう思ってるから分からないですし。うーん、ね?ちょっと行き詰ってきたんで、来年以降はい、アドバイスを欲しいと思ってます」
「え~、来年5年目になりますけども、もう一度最初に監督が来られた時位の気持ちになって、キャンプを過ごしたいと思います。え~最初に来た時の、あのきついキャンプ以上のキャンプを来年は自分でもやって行こうと決めてますので。ゆっくり監督が寝れるように、しっかり働きます。来年こそよろしくお願いします」
「いい事言ってんじゃん!」
「いかがですか?」
「えぇ?」
「この選手たちの、監督に対する言葉」
「あの~裏を返せば、正当なる評価をしてるという意識はしてもらってるっていう意識はあるんじゃない?」
「うん、ダメだったら落とされるって、当たり前の事なんだけども。でも、井端のね怖い。何もしゃべってくれなくて怖い!」
「いや、それだけあいつの事に関しては、もう一人前扱い?してるって事よ。」
「うん」
「でも寂しがり屋だからみんな!野手は!ピッチャーとはほとんど会話はしないんだけどね。野手はみんな寂しがり屋」
「でも本当、落合対する怖さというか」
「優しいのにね~?」
「いやいや、でも1番あの~、本当僕は選手から生の声を沢山4年間聞いて来ましたから~。やっぱり怖い。野球がやれなくなる怖さ。チャンスくれるんだけど、本当ダメだったらパッと切られるっていう怖さはね。井端は行き詰ってるそうです」
「何で行き詰るの~?」
「アドバイスがほしいって言ってましたよ」
「何の?結婚の?」
「でもやっぱ1年目が強烈だったんだろうね?やっぱこう、荒木なんかでもこう、1年目はこう、本当きつかったっていうのと、それがあるから今があるというね。今ちょっと自分でも生ぬるいっていうか、抜けてる部分があるっていう感じだよね。もう1回ちょっとこう、鍛え直すというかね」
「でも彼らはもう独り立ちしてくれないと、困るんだけどね。まだその監督の言葉とか何かに左右されてるようじゃ、心元ないんだけどな~。もう一本立ちしなよ早く」
「うーん」
「来年のキャンプっていうのは、もう一回主力を中心に鍛え上げていかないといけないんだろうなと。自分の目の届く範囲でね。それで見てるようで見てない、見てないようで見てる、その視線が彼らには必要なんだろうと思う」
「分かるね。あんまり見られてるとやっぱり、選手ってね信用してないのかな?と。でもね、全然見てないと大丈夫かな?っていうね、ちょっと抜いたりもするしね~」
「完全にほったらかしだったからね」
「うーん、確かにそうやったね」
「そういう距離感が難しいんですよね~?」
「そう!選手分かってるからほとんど今、ドラゴンズの選手は」
「本当寂しがり屋。何でこんな寂しがり屋なのかな~?って思う程寂しがり屋」
「俺ね気になるのがね、やっぱ山本昌っていうピッチャー。後7勝?」
「はい」
「多分結構今しんどいかも分からない、監督としてね。やっぱ200勝させてあげなくちゃいけないとかね」
「それはしんどいでしょ」
「いやだけど、結構使い方見てると、なんかこう、愛情がないというか、這い上がって来いよみたいなね」
「当然だよ」
「そんな他のピッチャーに迷惑かけて、お前の為にやってるんじゃないよっていうね」
「そうだよ?」
「そういうのが、ビンビン伝わってくるのよね。だからあえてね、山本昌には、やっぱここまで来たら当然200勝してほしいよ?してほしいけども、あえてやはりこう、手を差し伸べない」
「うん」
「その差し伸べる事によって、他の岩瀬とか、セットアッパーの岡本だとか平井だとかあの辺が、疲れが出るよね?」
「だから、後7勝だったら自分で這い上がって、自分の手で掴まないと!だって、まぁこういう席で本音言っていいのかどうか分からないけども、昌の為にチーム犠牲にする訳にはいかないんだよ」
「まさにその通り!」
「お前それやめろってもう!!」
「この4年間を過ごされてその~、落合監督の目指す野球っていうのは、どういう野球になるんですか?」
「まだ半分も来てない。俺が理想と掲げる野球だったら、ピッチャー全部三振取るだろうし、誰も1人もアウトならないで?永遠と続くんじゃないかと思うからね~」
「でも三振は取れんかったけどね~。日本一決めた時は完全試合じゃない!」
「いやそうだけど」
「うん」
「だからゲーム終わらないんじゃない?理想論かかげたら。打線は打ち続けて誰もアウトにならないだろうし、ピッチャーはみんな三振と取って帰ってくるだろうし。そういうゲームなんてありえないんだけどね?やっぱある程度、それを目指さなきゃいけないんじゃない?」
「究極はそこ?」
「だと思う。バッターは全部ホームラン!」
そして来シーズン
「では想いというか心というかね!」
「想い?」
「今年53年ぶりの日本一になりまして」
「あ~想いね!もう、もう他に書くことないでしょ。日本二とも書けないし、世界一っていうのもないし、
我々が目指す所は、日本シリーズで勝つ事しかないんだよね。それを色紙に書けって言えば今年勝ってる訳ですから、来年もまた勝とうよという事で、もうこれしかないんだろうと思います」
「自信は?」
「自信?それは100%ありますよ!」
「おぉ・・・」
「また日本ハムとやるのかな・・・」
「そうなりたいね~!嫌だろうけど」
「嫌だね~!来年も日本ハムは」