前園真聖と中田英寿の対談 2011
劇的な勝利を収めた日本を2人が語り尽くす。
今だから語る、日本サッカーの未来。
「日本で、国内で●●としては4試合目」
「4試合目。いくらもうやめて4年経ってると分かっても、絶対に頭ではどうしても現役の時のイメージがあるし、違うんだよ・・・と思いながら、やっぱり毎回毎回こう試合を終えると、畜生・・・次は絶対やってやると思いながら」
言葉では言いつつも、現役時代と変わらぬプレーを中田英寿。
引退後世界を旅した中田は、現実を見つめて考える。
その重要性に気づいたという。
チャリティーマッチもその一環だ。
「その旅の中色んな人と会って、色んな物に触れて、また新たな発見ってあった?」
「やっぱり、今ね日本が元気がないとかそういう話は聞いたりするけど、やっぱり地方の、まぁ伝統工芸とか農家の人たちって凄いこだわってやってるし、そういう人って凄い強くて、変わったオヤジ居るな~とか」
引退から4年、現実を見つめ、そして考える。
自分が出場しない初めてのワールドカップをどう見つめたのか。
「去年ワールドカップ見てたでしょ?
「はい」
「どういう風に感じました?」
「いい結果出なければ、これはまだでも日本サッカーじゃないだろうと。日本のやっぱり~、じゃスペインはどういうサッカーだ。イタリア風サッカーだっていうのはやっぱり、選手が大事じゃなくて国に対してのイメージがある。日本としてのサッカーが、結果は出たけどまだ確率されてないなと」
日本のサッカーと呼べるものはない。
最初にワールドカップに出場してから12年もの歳月が経つ。
結果を残せなかったわけではない。
しかし、日本のサッカーはこう!だと呼べるものがないのだという。
「すごいボールをよく回して、で、ちょっとシュート外れちゃうなっていうイメージになっちゃってる?逆に言うと。でもそれは日本のサッカーとは呼べないと思う。やっぱりその勝つため、日本はこういうサッカーをしてくる、相手に分かられててもそれを押し通してやる、そのプレーをやり続けることによって昇華させて本当に強いチームにする」
そんな日本のサッカーを作るために、今もっとも必要な事は何か。
「ずる賢さ日本人ないって言われるじゃない?」
「うーんやっぱりずる賢さっていうのは、サッカーの中って、サッカーって結局90分プロでやってたとしても、ボール触ってる時間はどれ位あるか。本当にもう数分しかない。その時間帯に結局はどういう結果を出すか。やっぱりマークを外す時、じゃ相手を交わすとき、まぁそういった所でどういう駆け引きをするか、その時間帯をいかに使うかがそのずる賢さであって、逆に言えば89分死んで止まってても、1分で3点取ればいい」
日本に必要なもの、それはずる賢さ。
勝負所で力を発揮するためのプレー中の駆け引き。
かつてそれを持っていたのが中田だった。
そして今、それを次ぐものが居るという。
「やっぱり、そうですね~。香川見てて面白いですけどね。やっぱりなんか凄いショットを、メッシを思わせる所もありつつ」
それは香川真司21歳今シーズン移籍したドイツでの活躍。
昨日の2ゴールで一躍日本の救世主。
そんな香川を中田はあの、メッシと重ね合わせている。
上手い上に、やっぱりそのずる賢さが、何かこのタラーンとやってる、力抜いてやってる時間もありつつ、でもこの時には凄いトップスピードで上手くやったりとか、何かすべてが全力で全力で行ってる感じだから。ただ、メッシってなんか、抜いてる所も凄いある。その脱力からのトップスピードがあるからこそ、あの~緩急があるから。やっぱりその辺をよりやると、必殺仕事人じゃないけど、彼はやっぱりそういう能力があるだけにゲームメイクって選手よりも、やっぱりそこの、仕留める?人間になってほしいなって気はしますね」
そして、イタリアでプレーした中田にとって、この男への期待も高い!
「うーん、ザッケローニ監督はもう、イタリア人の中でもやっぱり凄いまじめな監督。やっぱり、彼はどちらかというと、ちょっと下、中堅チームを上位に持っていく、そういう伸ばす力っていうのはすごいあると思うし、そういう意味では日本代表にとってもいい監督だな~とは思いますね。今やってるね、アジアカップがあってっていうので結果を出さないとまた、色々言われるだろうしななんて言いながらも、だけど彼の考え方は結構長いスパンで考えてるっていうのはすごい受け取れましたね」
アジア王者が見えてきた日本。
ザッケローニはどんなサッカーを見せるのか!
「中田さんだからこそ言える、愛があるんですけどちょっと厳しいコメントもありましたよね~?」
「まぁ、そうですね。まぁらしい話がありましたけど僕が印象に残ってるのは、日本のサッカーがまだ確立されてないと、やっぱり相手に合わせるんじゃなくて、自分たちが主導権を握りながら戦って行く、どんな相手でも。まぁそこがね、やっぱり今後ザッケローニ監督に求められていく所じゃないかなと思うんですけどね」