ダルビッシュ有×田中将大×工藤公康 対談 動画 ダルビッシュが田中マー君にメールでスピリットを教えてもらっていた!
ダルビッシュ有×田中将大×工藤公康 対談 動画 ダルビッシュが田中マー君にメールでスピリットを教えてもらっていた! - YouTube
工藤公康さん=工: ダルビッシュ有さん=ダ: 田中将大さん=田:
ナレーション=ナレ:
<あいさつ「お久しぶりです」「よろしくお願いします」>
工:今日はセットをヤンキースタジアムとグローブライフパーク……。
田:去年、工藤さんがダル(ダルビッシュ)と対談されているときに、こんな感じじゃなかったですか。
工:ああ、そうですね、はい。
ダ:ここで俺はお前(田中)の文句を言っていた。
田:はい、言いました、言いました。
ナレ:1年前のインタビュー。話題となっていた田中のメジャー挑戦について。
「ダ:ちょっとみんな、マーくん(田中)持ち上げ過ぎじゃないかなと思いますけどね(スタジオ内笑声)」
ナレ:そしてダルビッシュは、楽天時代からの田中最大の武器、打者の手元で鋭く落ちるボール“スプリット”についても言及していた。
「工:あのスプリットというのは、ダルビッシュさんから見て通用するという?
ダ:あのコントロールが維持できるんであれば、バッターはやっぱり振ると思いますけども。」
ダ:その(過去の)対談の内容すら(田中は)覚えていないと思うんで。
田:いやいや(笑)
ダ:本当に大した見ていない。
田:いや見ましたよ、しっかり。その対談を参考に1年間投げました。
工:(笑)やっぱりスプリットって実際投げて通用したというふうに思うんですが、20試合で13勝5敗という、これについてはいかがでしょうか。
田:前半は順調に投げられていたんですけど、やはり怪我で長引いてしまって、後半大事なところで全く仕事できなかったので、勝ち星どうこうというよりは、やはり先発の試合数だったりイニング数というのはしっかり投げられないといけないのかなとは思います。
ダ:僕とかはやっぱり最初、「抑えなきゃ」とか、「自分の力見せなきゃ」という感じだったんですけど、そういう感じはなかったので。20試合で13勝なんで、まあ力というのも十分出ているんじゃないかな。
工:そして、次はダルビッシュ投手の今シーズンを振り返っていきたいというふうに思っているんですが。
ダ:出さないでください。
工:これが3年間の。やっぱり目を引くのが、当然3年連続2ケタ勝利というのをされている。
ダ:勝つのはやっぱり、どれだけ防御率が悪くても勝つ人はいるので、あんまりそこは。今年は途中で怪我というか、あれでも、プロ野球生活をこんなに大きく離脱したことはなかったので、ここまで自分の思っているのとは違うパフォーマンスだということはなかったので、年じゅう通してやっぱり投げたいなというのは。
工:田中投手から見ていて、この3年間の成績、いかがですか。
田:もう羨ましいぐらい三振たくさんとっているなという(笑)
ダ:フォアボールのこと責めたいんやろ。
田:そうですね。ちょっとフォアボールはやっぱり多過ぎますね(笑)
ダ:99やで。
工:田中投手、ボールイン(3:35)が速かったんですけど、スプリットというのは、やっぱりメジャーの選手で投げる人が少ないと思うんですけど。
田:そうですね。でも、縦の速い球で落ちるピッチャーって増えていませんか?結構増えてきていませんか、ピッチャー。
ダ:最近では日本のピッチャーが、こうやって投げて、真似はしてきていると思っちゃう。若干この。やっぱりお前の、ちょっと落ち方が違うから。
工:落ち方が違うというのは、田中投手のどういうところが違うんですか。
ダ:普通、ほかのいいスプリット投げるピッチャーでも、途中からスプリットって分かるじゃないですか。何かバッターが振るポイントが多分あって、振り出すポイントが。そこに1回真っ直ぐみたいにグッと来るのがあるんじゃないかと思うんですよ。でないと、あり得ないワンバウンドとか振っているわけだから。(映像を見て)こんなの振らないよ、普通。
工:ダルビッシュさんも投げますよね、スプリット。
ダ:いやでもまあ、日本イチイの記憶あったんですけど、何かもう最近落ちなくなってきているなと思っていて、途中で教えてもらって、シーズン中に1回ちょっと(田中に)教えてもらって。
工:今年ですか。
ダ:今年、はい。
工:それって一度、ダルビッシュさんの方からこう……。
ダ:僕のほうから聞いたと思います。
工:ボールを実際に使ってというか。
ダ:「スプリットどうやって投げるん?」みたいなことで聞いて、メールで。昼ぐらいに聞いて、その日のナイターか何かで投げた記憶はあります。
田:そんな感じします。
工:投げる直前ですか。
田:「え、今日投げるんですか」みたいな(笑)
ダ:そうそう。「投げているか、見ておいて」って。インディアンスかな。何かの前に教えてもらって、よかったんですけどね。「三振3つぐらいとったで」みたいな、終わってから。
ナレ:現地6月6日のインディアンズ戦。これが田中から数時間前メールで教わった。この試合でダルビッシュはシーズン6勝目。スプリットでは3つの三振を奪った。一体、どんなことを教わっていたのか。
ダ:「手首使わん」って言ってたっけ?
田:はい。手首を寝かさないで、このまま、ここから押し込む感じ。こう抜くとかじゃないんですよ。持った状態で押し込むという感じです。
工:抜くというイメージではなくて。
田:全くないです。
工:押し込むというか、こう。
ダ:その次の試合はよかったんですけど、その次また悪くなって、やめました。あまり向いてないですね。
田:それでも抑えられるボール持っていますもんね、いっぱい。
ダ:お前、スプリットなくても抑えられると思っている。
田:抑えられないですよ(笑)10勝のうちの1勝は僕のおかげです。
ダ:そんなことイヤでしょう。
工:何とも言えないところなんですが。
普通の人って、練習を積み重ねて、だんだん落ちるようになってきた、ブルペンで投げて落ちるようになってきた。さあ、試合で試してみようかという感じだと思うんですけど、ああ、こうやって投げるのね。こうやってやるのね、じゃ、投げてみるわ、ポンという感じのように映るんですけど。
ダ:効率の問題じゃないですか。だから、ブルペンで幾ら練習して、めちゃくちゃに自分でいいフォークだと思っても、バッターが見たらいいフォークじゃない可能性があるわけじゃないですか。それやったら、試合で1回投げてみて。
工:田中さんもそうですか。
田:そうですね。基本的には。僕ももともとスプリット投げ始めたのって、雑誌で見て、じゃ、ブルペンで1回試して、次試合ですぐ投げたので。結局は試合で使わかないと分からない。いくら練習できてもという部分はあるので、すぐやっぱり自分もやっちゃいますね、結構。
ナレ:田中の代名詞、スプリット。それは人差し指と中指で挟んで投げる変化球で、右肘を痛めた要因の一つとも言われた。だが、復帰後も変わらず田中のピッチングを支えていた。その田中のスプリットに対し、ダルビッシュは驚くべき観察眼を披露する。
ダ:肘痛めてから、スプリット変えたの、右に。
田:変えてないです。
ダ:変えてない?全く?
田:変えてないです。
ダ:映像で見たとき、何かちょっと変化の仕方が変わっていたから。
田:変化の仕方はそうですね。変わっていましたね。
ナレ:(映像)左が肘を痛める前のスプリット。そして右が復帰後のスプリット。ダルビッシュの言うとおり、まっすぐ落ちていたボールがわずかに左バッターから逃げて落ちているように見える。
ダ:こっちの方変えたかなと思って。
田:変えていないですけども。
ダ:こっち変えたら、ああいうふうになりやすいかなと。それで、どっちにしても結構落ちる場所があまり変わっていないので、それは全く問題ない。肘のこと考えて自分で変えたのかなとは思っていましたけど。
工:どう変えたんですか。
田:変えていないです(笑)本当に変えていないです。
工:そうなんですか。
田:はい、変えていないです。だけど本当に変えていないです、握りは。
ダ:言わないですよ、自分のこと。恥ずかしいなと思うんですよね。本当は。
工:恥ずかしいんですか。
田:いや……恥ずかしいです(笑)
ナレ:ダルビッシュは田中の些細な変化に気づくほど、そのピッチングを気にかけていた。
工:何となく田中投手を見る目が全然違いますものね。何か弟のようにというか、そういう目をしていますね。
田:こんな弟いたら……。
工:自慢じゃないですかね。
田:いやいや、僕も……(ダルビッシュを見て)いやいや……。
ダ:何や、それ。
工:改めて自分の姿を見て、ああ、いいピッチャーだなと思いませんか。
田:いや、比較されている対象がダルさんなんで、何とも思いません。
ダ:俺のことを上げているのか、落としているのか、わからへん。
田:いや、上げているんですよ。
ダ:上げてんの。
やっぱりヤンキースでやるのと、レンジャーズでやるのとでは、プレッシャーが違いますから。
田:いやいや……。弱かったですよ、今年。
ダ:Tシャツ、でもかっこいい。何気ない、普通の黒のTシャツでも、かっこいいやん。
田:要ります?
ダ:いや、いいよ。かっこいいけどさ、「レンジャーズ」。ティーだけやん。あのマークだけやけど。ヤンキースだと、NとYのあれさ。
田:要ります?
ダ:いや、大丈夫。
工:続いて、今、日本で二刀流が流行って、大谷(翔平)投手なんですが、162キロというスピードボールを投げるピッチャーなんですけど、ダルビッシュさん見て、いかがですか。
ダ:速いですね。
工:どうしてこんな速い球を投げれるんだとかっていうのって。
ダ:どう思う?
―了―