藪恵壹×川藤 対談 2007/02/20
11年間で通算84勝という実績を引っ提げ、2004年、36歳という年齢でメジャーへFA移籍。
憧れのメジャー1年目、中継ぎで4勝をマークした藪。しかし、2年目となる去年の開幕直前、まさかのマイナー行きを通告されてしまいました。
藪:日本で、まだ僕「クビ」って言われたことなかったじゃないですか。阪神を出るにしても、フリーエージェントだったので。さすがにアップセットしましたね、自分は。
川藤:アップセットって何。
藪:動揺しましたね。
川藤:ああ、そうか。お前、英語言うな。
藪:(笑)
ナレーション:その後メキシコリーグで野球を続けた藪。メジャー復帰を目指す今シーズン、現在のところ所属は未定ですが、そんな中でも藪は、野球への情熱を失ってはいませんでした。
藪:本当に「予定は未定」で、トレーニングはもちろん続けながら。トレーニングっていっても、これまたちょっと、あんまり言いたくないんですけど、侘しいトレーニングですね。キャッチボールの相手がまずいないですわ。これがもう本当に切実な問題ですね。金網に向かって投げていますよ。遠投しようと思ったら、ちょっと原っぱのほうに行って、誰もいない方に向かって投げれば、またそっちまで走っていって。
川藤:お前、ええ練習しとるなあ。
藪:(笑)でも、やらざるを得ないので。どこか近くの公園に行って。
川藤:しかし「俺、何やっとるんやろ」と思ったことない?
藪:思いますけど、やっぱり投げるの好きなんですよ、多分。肩がだんだんいい調子になってくるのがわかりますし。
川藤:「自分はどうしても、もう一回あのメジャーの舞台に這い上がったろ」という、その一念?
藪:そうですね。やっぱりお客さんのいっぱいいる中で、もう一回投げたいというのはありますね。
皆さんに「元気だ
というところをまた見せたいと思っていますので、どうぞ皆さんも体に気を付けて、応援よろしくお願いします。
―了―