対談 上原浩治×松坂大輔 3分の3
https://www.youtube.com/watch?v=WWJYHbHvNgY
プロチームのみで結成されたドリームチーム。
この個性派集団はオリンピック予選において、まさに一丸となり、闘志をむき出しにただただ、勝利だけをおい求めた。
「やっぱそれをまとめたあの、宮元さんの力もあると思うんですけど」
「宮元さんのあの一言やね!!一生懸命やって負けたら仕方がないってよく言われるじゃないですか?スポーツ界って。そういう試合じゃないって言われたんで。ちょっとね、結構おきらくに僕は
考えてた部分があったんで」
「実際僕も思ってたし。ちょっとこう、楽な気持ちってのは結構あったんで」
「それを聞いて、引き締まったと」
「それを締めた宮本さんはすごいと思いますね。はい」
と、そこへ!
松坂の大好物が!
「いっぱい食べてくださいよ」
「見て!この上下関係。苦しゅうないぞ」
「ハッハッハッハッハ」
「僕さっき、上原さんのね~あの~イチゴショートケーキのイチゴ食べちゃいましたけど」
「イチゴのショートケーキになってへんやん」
すると!
「あ!ちゃんとありますよ!」
「うまい!ホンマ料理番組になってるやん。これ絶対番組成り立ってへんやろ」
今年2004年はオリンピックイヤー。
2人にかかる期待は計り知れないが、さて、球界を代表するエース、上原と松坂の目標、そして夢とは。
「僕あんま夢って言葉が好きじゃないんですよね。叶わないものだと思ってるんで夢っていうのは。
だから目標としてるのは、やっぱり世界でやりたい。やっぱりこういうね、アジア予選を経験してみたり、やっぱり国際試合っていうのが楽しいっていうのが改めて思ったんで」
「叶わないものに対しては夢とは言いますけど。僕もいつも目標として考えてるんで。まぁその、もちろん海外で、えぇ、やるって事も一つの目標で」
「はじめは違うリーグでやって、途中で一緒のチームになって最後にまた出来る事」
「最高ですよね」
「こういう対談したいですよねもう一回」
「喜んでやらして頂ますと」
「俺はいつでもOKやけどね」
「僕はやらないっすよ!」
「本当にオッケーしてよ~」
対談 上原浩治×松坂大輔 3分の2.
https://www.youtube.com/watch?v=wL8nd30dSSk
「それでは、一曲聴いてください。松坂大輔で、桜坂。」
「アッハッハッハッハ」
「おもしろいな~うまいわ~」
と、そこへ!!
「すんげ~汗」
「待てんじゃないのと思ったんすけど」
「ちょっと大輔後で食べていいよ。俺もう一個食べたもん」
「イチゴないやんけ!!誰イチゴ食ったん!!ちょっとテレビに映しといて。ここにイチゴ1個2個3個4個ってあってんで」
「で、何個食べたんだっけ?」
「4個・・・」
「動揺してるやんけ!!」
「アッハッハッハッハ」
「4個も増えてへん!!24回やってコージーコーナーやって最終回でやっと来たんやで!!」
収録前から大盛り上がりとなったが、いざ、本番スタート!!
「さぁ、今夜の上原浩二のスポーツボンバー最終回のゲストには西武ライオンズの松坂大輔投手にお越しいただきました」
「はーい、よろしくお願いします!」
「よろしくお願いします」
「ようこそ」
「何でそんな半笑いやねん!!」
「アハハ」
「パリーグは、いよいよ今週末に」
「早いですね~!」
「さっき来週って言ってましたよね?」
「今週末!?」
「今週末ですよね?」
「そうです」
「ダメだしされました~」
「まず1個目です」
「松坂さんと呼びますよ」
「いやいやいや」
と、スタートからエンジン全開の2人にここでいきなりプライベートな質問が
「プライベート~!?」
「えぇ」
「プライバシーの侵害になるからな」
「そんなに何、大切なプライベートをお持ちで?もう是非ねそこらへん」
「いやいや、僕じゃないですよ。大輔ですよ!!」
「あぁ、そうなんですか~?」
「少し気を使ってもらって・・・」
「うっふっふっふっふ」
「何ボソッと言うとんねん」
「あっはっはっは」
「今、気になる女性タレントは?」
「最近?」
「最近。最近の流行で」
「チラッと見えましたよ」
「何見てんねん!!」
「ここに来てもらった若槻千夏さんね。もう1個下に書いたのは金融会社って書いてんけど、色々ね今、金融会社の~」
「その関係の子」
「松坂投手」
「矢田亜希子!!」
「お~矢田亜希子さんはね~」
「後は、上戸彩さん!!」
「すいません、もう妹感覚ですね僕は」
「何度も申しあげますけども、5歳違うのでそれは~」
「今24やろ?24やったらまだ18、9やったらオッケーよな~?オッケーってどういう話してんねん」
「アッハッハッハッハ」
「暑くなってきたね~何かこの部屋ね~」
「ちょっと暑くなりましたね~今のでね~」
「女性を見る上で大事なのは、なんですか?」
「はい、上原さん」
「はい!」
「まずは、外見」
「いやみんな、これだけは言わせて。まずは外見っていうのは、みんな絶対ね第一印象は性格やとか言うでしょ?ありえへん!!絶対そうやねん!これはね~男10人居たら10人絶対これのはずやねんて。ほらうなずいてるでしょ?」
「そして来ました。」
「はい」
「野球に詳しくない人」
「詳しくない方がいいですね」
「僕も知らない方がいいですね」
「何であそこでまっすぐ投げたの?説教食らってみ!?家帰って、ハァ~ってゆっくりした時になんであそこでまっすぐ投げたの?って言われてみ~」
「それは辛いですね~」
「上原投手もっとチェンジアップ覚えた方がいいんじゃい?とかって言われたらイヤですもん」
「結婚は何歳までにしたいですか?」
「何歳まで?」
「はい、お2人の間にはね、5歳違いますからまぁ」
「しつこいよね?5歳5歳5歳って。何?ケンカ売ってんの!?」
「いや、上原投手5年のね、経験があるから~と思って」
「僕はまぁ時間ありますけどね?たっぷりね」
「はい」
「おい!お前もケンカ売ってるよ今!!絶対今ケンカ売ったで!!」
「松坂さん、さらっと書いていただきました。30までということで」
「まだまだ時間ありますね。えぇ、僕は」
「30前後って意味です」
「なるほどね。30までにするには、時間が足りないと」
「足りなさ過ぎるし~そっか~24か~。いいな大輔」
あっけらかんと答える2人に今度はこんな質問が
「メジャーリーグはやっぱり憧れだ。さらさらさらさらっと書いて、えぇ~まずは上原投手。このね、全面使ってYESと書いていただきました。松坂さんは?」
「僕は控えめに。普通です」
「割と、真ん中の方にね、YESって書いていただいてるんですけども、普通です」
「いや、憧れですもん!!」
「そうですよね~」
「やっぱり今はね稼頭央とか大家っていうのも居ますし~。向こう行って活躍してるのを見ると何やってんねやろうっていうちょっとした自問自答にもなりますし、大輔なんてもう後で和男が守ってたんですからね?僕以上に身近に感じてるかも知れない」
「今年さらに、その、何て言うんですかね~?気持ちが強くなったというか」
「うーん」
「はーい」
「とにかく刺激になりますよね、同年代が行ってるっていうのは。うーん」
松坂が、特別な感慨を抱いてるという、松井稼頭央とのラストゲーム。上原にとっては
「そうですね、初めて同じチームとして、まぁなかなかいい先輩思いの、うーん大輔君でしたけどね~うん。バスも隣でしたからね。うーん。なかなか後の席で由伸とかね、稼頭央とかに僕はかなりイジメられましたよホントに」
「いや、それは由伸さんと稼頭央さんに~・・・」
「由伸と稼頭央は同い年じゃないすか。何となく2人で僕を攻撃してくるんですよ」
「はい。そこで守ってくれるのが!?」
「いや、そこでチクチク刺してくんのが大輔」
「この応援団長の上原さんが居たからよかったんです~って大輔言うぞこれ!」
「間違いないっす。全国にアピールしますよ」
「もしこれ言わんかったら、お前減棒や。給料下がるで」
「当然やんかそんなの1試合目に投げてあと2試合笑ってんやからずっと」
「笑ってんちゃうで~」
「カレー食うとかさ~」
「いやいやいやいや、何を言うてん。カレー2杯しか食ってへんやん」
「僕ははずかしいよ。ウチにのエースが唯一の失点しちゃうから。あれでよくカレーが食えたもんだよ試合前にさ~。ホントのん気によ~カレー食ってる場合じゃねぇんだよ」
「大輔~」
「僕は中国戦一生懸命投げてるのに、裏でね~気持ちよさそうにマッサージ受けてるしよ~気持ちよさそうにね」
「まぁ、僕は次の日だったんで、その準備があったんで。上原さんが一所懸命投げてるのに、まぁ裏でメロンメロン食べたり。まぁわざと。で、上原さんはその時試合中だったんですけど、お前覚えとけよ!明日覚えとけよ!って言って、僕が投げてるその試合最中にいきなりカレー食べてる所見たんで~」
「フフフフ」
「で、僕さすがに投げる前にはカレーは食べれないな~と思って。」
「そうですよね~」
「何か見せつけをして僕に。チックショ~いいなとか思いながら」
まだまだ続く爆笑&本音トークのガチンコバトル。
この後、上原が爆弾発言!?
「カットしといてよ~」
新黄金世代 スペシャル対談 前田健太×坂本勇人
1988年、この年に生を受けた選手達が今球界を設計しつつある。
近い将来、新たな黄金世代となるであろう選手達。
そして、この二人も。
今や、不動の切れ込み隊長にしてチームの顔へと成長した巨人・坂本勇人。
去年、タイトルを総なめ。ピッチャー最高峰沢村賞に輝いた広島・前田健太。
新黄金世代を牽引する二人のスペシャル対談。
共にプロ入りしたのは四年前。
一軍に定着した二年目から、プライベートでも親交を持つようになった二人。
「いや僕は性格明るいしこんなに活躍しても全然相手してくれるから。あんま最近付き合い悪いけど。だいぶ悪いけど」
「誘いが遅いんだよ。一緒の関西人でノリも合うし、活躍しても変わらない。二年目からずっとこんな感じで変わらずにやってるんで。こういうノリとか楽しいから好き」
「ギクシャクすんな、これな。難しいな」
「難しい」
今回はそれぞれ気になる質問をぶつけトークを展開。
ここで早くも坂本から先制攻撃が。
「めっちゃ字綺麗。やばいって。めっちゃスラスラ書くな。やっぱこれ頭の良さの違いが出てきますね、このへんで」
最初の質問は、その達筆な前田から。
「ごっつ字が綺麗やね」
「前田健太のどの球種が打ちやすい?」
「うーん・・・シュート?シュート! まぁスライダーカーブはやっぱりあれやね。難しいわ。まっすぐはやっぱ早いから。難しいよなぁ」
「へなちょこツーシームか・・・」
「あれ投げん方がええかもな」
「あれでも今年は・・・あ、去年全然投げてない。去年?2010年。ま、一回レフト線に二塁打を打たれたから。完璧に決まったのが。ちょっとショック受けた」
「まっすぐスライダーいいもんな。カーブも、スライダー狙ってたらカーブも来たらラッキーかな」
そんな二人も対戦成績では前田が優勢。
分の悪い坂本からはこんな質問が。
「前田健太に聞きたいこと。弱点・アドバイスをお願いします」
「なんすかアドバイスって」
「俺の弱点を聞きたい」
「思いきりがいいから結構振ってくれる。ボール球も」
「スライダーもね?」
「うん」
「なるほどね
「あれが振られへんくなると結構いややな、ピッチャーとしては。でもインコースが強いっていうのはピッチャーとしてはほんまにいやになってくる」
「基本外やんか、ピッチャーって。だからインコース強くてもあんまりあれじゃない?」
「外に投げときゃいいっていうのが、外を打たれ出す原因で。そこでインコースたまに見せるのを、打たれへんかったらもっとラクなんやけど、そこを完璧に打たれるとインコースが使いにくくなるからアウトコース一辺倒にどうしてもなってしまう。そこでボール球を振られへんくなったらピッチャーはやっぱり。そこで振ってくれるとあれやけど」
「ボール球振らんくなったら・・・」
「インコースも使い出すし、そのインコースを打たれるともうお手上げ。」
「お手上げです」
そして今、一番気になる選手といえば・・・今シーズンから同じプロの舞台に立つことになった北海道日本ハム・斎藤佑樹。
「前田健太に聞きたいこと。佑ちゃんについて。ピッチャー的にどうなのかなぁっていう」
「なんでそれもってきたん」
「いや、ピッチャー目線で佑ちゃんはどうなのかなって。やっぱバッターはピッチャーほどわからへんからさ」
「ピッチャーから見てやっぱり、ゲームを作る能力はあると思う。一つの長所やと思うけど。大学生の時の話で、プロではどうかっていうのは分からないし。先発でやっていくにはやっぱ試合を作るっていうのは大事な要素やから・・・まぁまぁ、なんとか。でもパリーグに行ったってことは、パリーグに打線がやっぱり強いし・・・」
「それはセリーグのバッター達がしょぼいと言ってる・・・」
「そういう意味じゃない。DHもあってっていうのもあるし」
「ほんまやな。それはあるな」
「まぁ、バッター目線から見たら・・・どうなんですか」
「後から入ってきた人達とはね、まだ対戦もないし、どんな人かも選手かもわかんないんで。まぁ、前田健太には負けたくないですね、一番」
「同級生にはやっぱり良い選手が多いんで負けたくないってのはあるし。坂本勇人には絶対負けたくないですね」
数多くいる同世代の中でも二人がナンバーワンと認めるのは、東北楽天・田中将大。
「僕はもう小学校から知ってるし、まぁでもプロで先にやってるから、僕らの代の代表的な、引っ張ってってくれてる人だと思います」
「俺は一緒のピッチャーですごい活躍してるんで、良いライバルでもあるし良い同級生の切磋琢磨できるライバルでありたいと思うんで。その中で負けないように頑張ってはいきたいなと思います」
そんな新黄金世代も今年で二十三歳。今後ますます活躍が期待される将来については?
「一緒に野球がしたいか?」
「メジャーに行きたい?国内なら巨人? 一緒のチームで野球したいっすね。オールスターの時に後ろで守ってて、良いなぁと思った。一緒にやれたらおもろいやろうなぁと思った。まぁでも一緒なら、国内なら巨人に来てほしいなぁっていう」
「広島に来てほしいなぁっていう」
「メジャー行くのかなぁ?行くん?」
「いや、わからん」
「正直!正直メジャー行きたいでしょ?」
「行きたくないよ、別に、今」
「あ、全然ない?」
「うん。行きたい?」
「あー、俺全然ない。めっちゃアイラブジャパンって感じ。マジで。ほんま日本が好きやから。絶対メジャー行くんやろうなっていう・・・なんやかんやでやっぱメジャー行きたくなるんやろうなっていうね。ピッチャーってやっぱりみんな行くもんな?結構な?」
「最近ピッチャーの人多いな」
「いや行ってほしいな。メジャーでどれぐらい・・・めちゃ活躍してほしい。俺は何してるんやろな」
「バリバリやってるだろうな。4番ぐらい打ってるんじゃない?結構もう大きくなって、ちょっと太りだして。4番打ってるんじゃない? メジャーは?メジャー」
「メジャーはもう全然ない。ほんまにないわ」
「ジャイアンツが給料に困ってるでしょうね。5億とかになってもう」
「なってたらええなぁ。そうやってなってたらええけど」
尽きない将来の話はこんな話題にも・・・
「でも三十で結婚したいな、さすがにな」
「三十にはさすがに結婚して・・・」
「子供一人ぐらい・・・二人いてもいいな。多分、マエケンの方が早いな」
「そうか?でもまぁ結婚して子供がおれば。子供ができたら勇人ってつけようかな、俺」
「前田勇人?」
「前田勇人。坂本健太」
今シーズンも目が離せない新黄金世代。
最後はお互いにエールを交わし、対談を締めくくった。
「首位打者を取ってほしい。で、俺の時はボール球をいっぱい振ってほしい。3割・30本・30盗塁。トリプルスリー」
「盗塁なぁ・・・。十四個やで?倍増?」
「いけるだろう」
「多分沢村賞とか獲って、すごいプレッシャーの中で来年のプレーが始まると思うんで。プレッシャーに負けるタイプじゃないから。俺にはわからんプレッシャーがあると思うけど頑張ってほしいっす。あと、まっすぐ多めでお願いします」
一度だけ行われた野村克也氏と桑田真澄氏の対談
あなたが人生に悩んだ時、背中を押してくれる言葉はありますか?
挫折を経験したから優しくなれる。
瞑る言葉の一つ一つが心に響く、心に染みる・・・。
仕事で悩むあなたも、家庭を守るあなたも、野球に興味ないあなたも。
今夜、2人の言葉から生きるヒントを見つけてください。
「お疲れどうも」
「どうもありがとうございました」
「おつかれさまでした」
「はい、ありがとうございましたどうも」
「なんて言葉をかけていいかわからないね」
「ありがとうございました」
「長い間、何年かな?」
「23年になりますね」
「俺よりちょっと短いね」
「はーい」
「現役どう?もう一回復帰。ストッパーが居ないんだよ。ストッパーなら行けるんじゃないの?」
「いやいやいや、もう」
「ヒュイヒュイと」
「いや~もう・・・」
「まぁ、これ位ピッチングのコツを知ってる人居ないんじゃない?最近はな。」
「今年はオープン戦でもう、これのサインで行くからってキャッチャーに言ってですね。で、まず打たれなかったですね。」
「うん」
「はい」
「これ投げて、次ここで。ここ投げたら次ここでっていう事を、自信を持って投げてきましたんで、非常に楽しかったですね」
「ツボは知ってる人はいっぱい居るんだよ。コツを知ってる人が少ない。」
「あぁ」
「と思うよ。この方はコツを知ってる。」
「いえいえそんな・・・」
「微妙なコツ。ここへほれ、計算通りショートゴロを打つとかさ」
「は~い」
「うん」
「やっぱその辺のこう、ショートゴロを打たすまでのね、あの~餌まきがさ、大変興味あるんだよな」
「ほとんど僕、ですからショートゴロしか感じた事ないですからね」
「そう。見てて思うよ。考えてる事は大体分かってる」
「本当ですか?」
コツを次の世代へ。
それは今を築いてきた者の義務。
「僕がまー君のピッチングを見せて、桑田と重ねてるんだよそいつも。彼も目指すのは桑田先輩であってほしい。うん。鏡にするのはね。やっぱり自分が成長、進歩して行くには鏡になる人がおると、やっぱりみんな、進歩っていうのはこう、模倣から入る真似から入るじゃない。真似から入って、そこへ自分流のものを加えていけばいいんで。そんな話をちょっとしたけど・。うーん、鏡にしなさいって言っておいて」
「でも、非常に楽しみですね。体もいいですし」
「え~彼はもう本当に楽しみですよ」
「はーい」
「うーん。ピッチング頭脳もいいですね」
「うーん」
「対談一回しただけ?」
「あの~、そうですね」
「商売抜きでさ」
「はい」
「いっぺん話してやってよ」
「もういつでもさせていただきます」
「僕現役の時、野村さんが監督されてる時は、ここは絶対送っとく、ここはエンドランだって僕~あの~結構」
「当てられてたの?」
「いや、あの~いつもは当たらないですけど、野村さんここでこのサイン出すなとかですね、このカウントは盗塁盗塁させるなとか、ちょっとそこで当たったときは自分に酔って、その後のバッターにやられたりとかですね、よくしてましたね」
自分の置かれた状況から、ずっと意識していても距離を見てきた。
しかし、そこに飛び込んで行く事で、扉は開かれる。
初めて共に時を過ごせば、交わされる言葉は次々と化学反応を起こして行く。
「惜しい試合ってあるじゃないですか?もう本当、こう、勝ててたのに落としてしまったっていう試合が続いたり続いたりするじゃないですか?」
「開幕早々2つやった」
「あぁそうなんですか」
「続けて」
「はい」
「ストッパーを誰にするかっていう事でまぁ3人ばかりね。ほんでオープン戦、ドミンゴが一番まぁ安定感があったね」
「うん」
「じゃあドミンゴでいこうって言って開幕して、丁度ソフトバンクに9回、2点許してよし!と、ドミンゴを置いた。コンコンコンコン7球でサヨナラ負けや・・・ホームラン見事やもんな~・・・って口開いてる間に終わった」
「アッハッハッハ」
「まぁ高い代走使って勉強はしたけど」
「うん」
「もう今更勉強する年じゃないからね~もう終わりなんだからさ。もう勉強してる場合かって」
「アッハッハッハ」
「自分で言い聞かせてる」
「死ぬまで勉強じゃないですかね?僕が言うのもなんですけど」
「今年世論家の立場でね~見させていただいてるんですけど、もうそういう時も結果で、こう、話せずに彼、そのプレーヤーがどういう準備をしてどういう気持ちであそこに居て、あのプレーヤーになったかっていう事を、こう、書いていったり、話していけたらな~と思ってますけど」
「それはもう、大事な事だと俺も、非常に気をつけてる。結果論で選手をね」
「はい」
「怒ったり、𠮟ったりしちゃいけないいう」
「うーん」
「だから、人間だから間違いも犯すだけどまぁ、努力の方向性だけ間違ってなけりゃ」
「うん」
「方向は間違ってないだけどやった事がうまく行かなかったっていうのは、僕はゆるしてるんですよ」
「ライバルは居ないより居た方がいいだろう。全てが競争社会じゃん」
勝てる喧嘩だけしていれば楽だ。
でもそれじゃ人は成長しない。
つわものとの戦いが、己を築く。
「現役時代は王監督。監督になってから長島監督。天才野球に負けてたまるか!」
「うっふふふふ」
「貧乏人のど根性見せてやる!」
「えっへっへっへっへ」
「言葉悪いけど、貧乏人と金持ちの喧嘩でも、所詮は敵わないと思ってもさ、貧乏球団は根性だから」
「うん」
「僕の場合はね本当あの~野球と知り合いじゃなかったら、僕今居ないでしょうね。間違いなく。だからもう体ではもうまず敵わないんで。こう、そばに居てくれたんで、何を考えてるのかな?こういうバッターはどうやって打ち取れるのかな?何が必要かな?っていう事を僕はいつも考えてましたね」
「俺個人の意見だけどね。清原はやっぱりいい上司に恵まれなかったってプロ入ってね。で、森監督にも言ったよ。あんたが悪いって」
「森さんですか?」
「あんたがあの~鉄は熱いうちに打てっていうね。あの、プロ入った時にピシッと人間教育をすべきだったと」
「うーん」
「そしたら、もっとすごい選手になってたと思う」
「うーん」
生きていると、時に理不尽なルールに縛られる事がある。
それでも、決して諦めずに明日を夢見てほしい。
「丁度僕も息子が高校になったんですけど、野村さんも丁度高校生になられた時っていうのは、大分苦労されました?プロアマの色々あるじゃないですか?」
「まぁ、子供の方は、克則の方は、逆に気を使って家に帰ってこないわ」
「あ~そうなんですか」
「野球部の寮に入ったっきり」
「へぇ」
「みんなに迷惑かけるって、お前プロの親父に教えてもらってたなんて所をね?」
「あぁ」
「家の家のどっかから隠しカメラでね」
「あぁ」
「えぇそれで練習しとる親父と一緒にね、練習してるなんてもう、撮られたら困るとか言って一切帰ってこないんだもん・・・」
「へぇ」
「だからあれもおかしな規則だよね~」
「うーん」
「えぇ」
「僕、去年ですね、ガリクソンの家に行って丁度ガリクソンが日本でプレーしてる時に生まれた子供が高校3年生なってたんですよね」
「おぉ」
「で、その試合あるからってその日見に行ったんですよ。そしたら試合前にブルペン行こうって、ブルペンの真横でこうして、ちょっと頭突っ込んでろ!もっとステイバックしろ!とかって、がリクソンが直接指導してるんですよね」
「うん」
「丁度高校時代って、いい時代の時に成長する時じゃないですか?ですから日本もそういう風になればいいのにな~と思ってたんですよね~」
広がる格差社会。
そんな中、人間は知恵を振り絞り、どうにかしてその差を埋めようと努力を続ける。
「まぁ僕の印象はね、こう集団とチームの違いというのは感じる。今はまぁジャイアンツ球団にしか思えないんだよ。で、チームっていうのはやっぱり機能性があってチームですからね」
「はい」
「だからまぁ、一応4番バッターばっかり集めて失敗してまたこんな事繰り返てるのかってね」
「うん」
「野球ってうまく出来てるんだよね。やっぱ1番から9番まで、守ってるとここのそのポジションって、条件があって適材適所にはめていく行くじゃない」
「適材適所っていうのは絶対大事ですよね。はい。やっぱり、走れる人が居て、前へ進める人が居て、帰せる人?これ絶対必要ですよね」
「いや~僕にジャイアンツの事振らないでくださいよ!コメントしづらいじゃないですか。」
「ふっふっふっふっふ」
「やっぱり色んな会社で社長が社員の訓示に野球を例にあげるっていうのは分かるよね」
「難しいからこそ研究したくなったり、勉強したくなったり、深くこう追い求めて行くのかも分からないですね」
「育成とか管理とかまぁ指導を含めた、もろもろ仕事がありますけど、行き着くところは、あんまり好きな事ばじゃないんだけど、やっぱ根底にあるものは愛だと思うんだよね」
「うーん」
「選手をどれだけ愛してるか、チームをどれだけ愛してるかって、チーム愛だ、ね?選手愛だっていう事が一番底辺になかったらね」
「うーん」
「やっぱ育つもんも育たないと」
「うん」
ID野球を掲げ、一見冷徹な様にも見えた野村の野球。
しかし、そこに流れていたのは、人と人とを結びつける一番大切なものだった。
「これはもう、桑田コーチがやってくれりゃ~本当もう楽でいいな。好きなようにやってちょうだいよ」
「あっはっはっは」
「全てお任せします」
「あっはっはっは」
「楽天のコーチ、監督だね」
「へっへっへっへっへ」
「後継者できた」
「へっへっへっへっへ」
「まぁ彼なら安心して譲れるわね」
「どうぞよろしく」
「こちらこそありがとうございました」
「早く日本来て」
松井秀喜×松井稼頭央 対談1/10
https://www.youtube.com/watch?v=UUEs9JjbuA8
ナレ:世界中からの夢追い人が集う街、それがアメリカ・ニューヨーク。
秀:目標はワールドチャンピオンという一つしかないんですけど。
稼:ボロボロになるまで当然やりたいし。自分の中で、まずは世界一のショートになると。
ナレ:そんな夢の舞台で昨年、2人の日本人メジャーリーガーが躍動した。
驚くべきことは一つもない。その成功は8年前、既に約束されたものだったのだから。
MLB選抜チーム 監督 D.ベイカー
「【字幕】彼等ならメジャーで生き残れるだろう。ビッグ松井(秀喜)とリトル松井(稼頭央)ならね」
ナレ:しかし、その裏には、我々の想像をはるかに越えた苦悩と葛藤の日々があった。
だからこそ秀喜は、どうしても会っておきたかった。
<東京>
稼:まさかですよね。
秀:「すごいな、稼頭央」と思った。
ナレ:だからこそ稼頭央は、聞いておきたいことがあった。
稼:あの強さは何なんですかね。
秀:「そんなわけねえだろ」みたいな。
ナレ:一体、どんな言葉が飛び交うのか。
稼:左手の感覚っていうんですか。
秀:(バットを左手に持って)こっちの手でバツンって。
ナレ:性格、感性、理想。別々の人間なんだから、全く同じことなんてまずあり得ない。それでも同じフィールドに立ったものだけが分かち合える、特別な思いがあるはず。
今夜、今なお夢を追い続ける2人の松井がすべてを語り、すべてをさらけ出す。
「HEROズ N.Y.野球小僧の夢 松井×松井」
<スタジオ>
松井(秀)、松井(稼)、握手とあいさつ。
秀:今日は何でスーツ着てんの(笑)
稼:いや、何かちょっと……。
秀:俺だけ行儀悪い人じゃない?大丈夫?本当に?着替えてくればよかった。
稼:お願いします。
秀:はい、お願いします。
それぞれ着席。
稼:緊張するでしょう、普通。緊張しますよ、やっぱり。こうして……。
秀:しないだろう。
稼:こうやって話するの初めてですからね。
「秀喜(30才) 稼頭央(29才)」の文字
秀:そうだな。のんびり話すのは初めてですね。
稼:そうですね。
秀:球場でちょこちょこっとしか。
稼:そうですね。
僕らがニューヨークにいても、大体入れ違いですもんね。
秀:そうですね。ヤンキースがいるときは、メッツが出ているしね。メッツがいるときは、ヤンキースが出ているしという感じだから、会うこともないもんね。
【初めての会話】
秀:一番最初に会ったときは、向こうで会ったときは、サブウェイ(シリーズ)で初めて会った。
稼:初めてですね、はい。
ナレ:ヤンキースとメッツ、互いの本拠地を地下鉄で行き来できることから、そう名付けられたメジャー屈指の好カード。それが「サブウェイシリーズ」。
そして昨年、歴史的大一番の舞台に、2人の日本人メジャーリーガーが立った。世界一辛口で知られるNYのメディアが2人の一挙手一投足に鋭い視線を送る。
そんなプレッシャーの中、まずはヤンキースタジアムで秀喜のバットが火を噴いた。打球はヤンキースファンの待つスタジオへ。なんと、サブウェイシリーズ2年連続となるグランドスラム。
稼頭央も負けてはいない。シェイスタジアムでメジャー初となる1試合2ホーマー。2004年のサブウェイシリーズは、まさに2人の独壇場だった。実は2人がNYで顔を合わせたのは、これが初めてのことだった。
秀:何話したっけ。
稼:メディアのこととかね……。
秀:そうだよね。「どこに住んでんの」とかね。「どういう生活してるの」とか、そういう感じだったよね。
【NYメディアのバッシング】
NYのメディアはね、いいときは別にそれでいいんだけど、いいときは別に普通なんだけど、そうじゃなくなったときの書き方というのは結構ひどいよね。ひどいし、明らかに悪意を持った聞き方してくるよね、やっぱり。そこら辺はやっぱりもう……。
稼:遠回しに言ってこないもんね。
秀:そうそう。ズバズバ。
稼:ズバズバ来ますもんね。
秀:俺の場合はジャイアンツにいたからも、これも多少話したけど、こういうことを書かれることに関しては、結構慣れているところがあって、結構気にならなかったのね、俺は。稼頭央はやっぱり、その辺は最初、多分面食らったんじゃないかなというか。俺は想像していたんだけど。
稼:想像を超えましたね。まさか……。僕はパ・リーグだったんで、そんなに新聞に扱ってくれるわけでもないですし、打っても打たなくても大きく出なかったですから、日本の記者に新聞持ってきてもらって、結構言われたりしましたね。
秀:特にやっぱり、稼頭央としてはあれなんじゃないの。バッティングは絶対、ある程度慣れるまでは大変だと思うと思ったのね。自分の経験からしてね。ただ、やっぱり守備でそういうことを言われたりするのが一番きついんじゃないかなと思った、俺としてはね、どっちかといったら。
稼:そうですね……。
秀:そんなことない?
稼:守備はやっぱりかなり大きかったと思いますね。打つ方は多少慣れればいいと思いましたし、守備で、ショートって要じゃないですか。それでエラーしたら、大体点入るんですよ。それでことごとく、エラーもしましたし、やっぱり守備でいい状態じゃないと、打つ方にも余裕が出ないというか。
秀:まあ、そうだね。
稼:そういうのはありました。
秀:俺はちょっと見ていて思ったんだけど、捕る方のエラーはもちろん本人の責任だし、しようがないときもあるけど、投げる方のエラーは、見ていて、「(マイク・)ピアザ、それ捕れるんじゃないの」って。内心思っていなかった?俺、見てて思った。「お、あれ捕れるんじゃないの」とか。そんなことない?
稼:(笑)イップス気味になりましたね。
秀:俺、思ったけどなあ。
イップスとは?「緊張で手が動かなくなり、正確な動作ができなくなること」
稼:今年メッツね、7人ぐらいファースト替わっているんですよ。ピアザから、最後(カリーム・)ガルシアまでファースト練習していましたからね。
秀:俺、「ビアザ、あのぐらい捕ってあげようよ」って思ったのはあったよ、マジで。
稼:でもやっぱり、キャッチャーからファーストじゃないですか。
秀:ああ、まあね。難しいだろうね。
稼:ブロッキングしにいってしまうんですよ。
秀:捕るというよりも、球止めちゃうという。
稼:多分そうです。
秀:それもちょっとね、気の毒だと思ったのあったよ。
―了―
MIFA TV vol.8 岡崎慎司選手 対談
岡崎慎司=岡: 桜井和寿=桜: GAKU-MC=G ナレーション=ナレ:
G:昨日は早速選手の試合も生で見れて。
桜:すごかったですね。
G:すごかったなあ。
<岡崎選手登場>
桜・G:ありがとうございます。
G:お待ちしておりました。
岡:ようこそマインツへ。
G:初めまして。
昨日の試合、楽しかったです。
桜:ホントです。
岡:決めたかったですね、昨日は。
G:惜しかった。
桜:昨日は対シャルケ戦。
岡:うっちー(内田篤人 シャルケ04所属)いなかったんで、チャンスだと思ったんですけど。まあかなりチャンス多かったんで。
桜:でも、びっくりしました、もう。(両手を広げて)青一色の中に、(手元に両手で円を作って)こんな。
G・このぐらいの。ピザの8分の1ぐらいのやつ。
岡:何か全然、こっちが攻撃して盛り上がらないんで、アウェー感が半端なかった。
桜:逆に燃えるということはないんですか。
岡:ゴール決めたときが一番嬉しいですね。静かになるというか。
<街を歩きながら>
桜:もうドイツのリーグは慣れました?
岡:ようやく何か、自分の本当のポジションでサッカーできているという感じです。それまでは結構、相手に合わせたりとか、味方に合わせたりとか。どうやったら自分がドイツでも生きるんやろっていうか、そういうのを試行錯誤していたんで、あんまり点を取ろう、ずっと取ろうっていう感じじゃなかったんで。点を取りたいけど、守備のバランス見たりとか、攻撃行ったりとか、そういうことをしていたんで、やっと何か今は点だけに集中しているという感じで。
桜:昨日、ピッチサイドに行ったんですね。試合前の選手とか見たんですけど、すごくやっぱり皆さん、背高いですね。
岡:でかいですね(笑)
桜:その中でやっていくために、工夫したところとかってあります?
岡:やっぱり準備というか、相手より先に間合いとってとか、ボールが落ちるところ見極めてポジションとったりとかして、そういうふうに、相手より先に準備するというような。
G:昨日、ずっと岡崎選手だけをほぼ見ていて。
桜:そうだね。
岡:もったいないっすね。せっかくシャルケ来てるのに(笑)
桜:いやいや。
G:どういう動きをして最後に行くのかというのをずっと見て、ああ、意外と走っていないんだなという。
岡:そうですね。結構、走っていない時の方がチャンスになったりするので、こっちとかでも。そういうのは結構心がけていましたけど。
G:メリハリが。
お茶します?
岡・桜:お茶しましょう。
<カフェのオープンテラス>
G:本当にドイツ来ちゃってるからなあ、我々も。
岡:初めてですか。
G:僕はライブで何度か来たことあるけど、キャプテン(桜井)初めてでしょう。
岡:あ、本当ですか。
桜井:初めて。
岡:何か来てそうなイメージあるんですけど。
桜:初めてなんです。あんまり海外行かないんですよ。
G:ドイツのサッカーの魅力って何ですか。
岡:スピードですかね、やっぱり。スピード感というか。あんまりサイドチェンジとかを多くしなくても、縦に速くというか、見えたらもう……。
G:すぐ行く。
岡:前に当てる。とったら前に、みたいな。見ている人は暇じゃないというか、スピーディーなんで、それが楽しいんじゃないかなって僕は。だから足を運んで見る人も多いのかなという。
G:あの満員の感じはねえ。
岡:スポーツで何か盛り上がっているというのは、ドイツに来てすごく、一番感じていることなので。いいなあというか、日本もこうやってみんなが足を運んで、そこで楽しむというか、それはすごい……。
G:行きも帰りも相当歌っていてね、みんなね。
岡:あんまりないですもんね、日本でそういう歌いながら。
桜:(両手を左右に置いて)L・R(左右)がもうR「ナントカ、オー!」L「ナントカ、オー!」っていう(笑)
岡:試合前にライトアップみたいな。
桜:してた、してた。
G:あれもかっこよかった。
桜:「今日は誰かの誕生日か?」と思った(笑)
G:そうそう(笑)あと、自分たちのチームの街宣伝みたいな、ちょっと昔の炭坑の。
桜:歴史ね。
G:歴史とか、ああいうの見ると、「あ、ちょっといいなあ」みたいな(笑)
桜:1日の中で、どのぐらいサッカーのことを今考えています?
岡:海外来てからよく考えるようになりましたね。大体、家族とかといても、やっぱり考えるときはサッカーのこと考えたりするし、そのときは何かやっぱりぼうっとしているから、子どもとかは「遊んでよ」みたいな。サッカー忘れようみたいな感じなんですけど。
桜:じゃ、ついついそれは考えちゃう。
岡:ついつい考えちゃいますね。でも考え込むと、こうしておけばよかったとか。昨日の試合とかでも、ずっともう家帰ってきてからも、何であれ決めれなかったんやろとか。
桜:じゃ、メモしたり、「岡崎ノート」みたいなのは。
岡:ないですね。結局三日坊主とかで終わるタイプなんですよ。だから、それやったら毎日同じように繰り返して反省するのもアリなのかなって、自分には。
G:なるほどね。
BGM『勝利の笑みを君と』(ウスカジー)
G:音楽聴いて試合入ったりしますか。
岡:そうですね、ほぼ毎試合聞いているし、僕もやっぱり試合までは結構不安というか、どっちかというといろいろあれこれ考えて、早く試合始まってくれよと思うタイプなんで。大体試合の前に2、30分寝て、起きたら何か「始まる」という気持ちで、そこから音楽聴くんですよ。そこからもう、本当テンション上げて。
今ホテル同じ部屋に、チュホという韓国人の。そいつと歌を歌いながら。
桜・G:へえ。
岡:こみ上げていって、それ入ったりとか。
G:なるほど。じゃ、その彼にも一緒に(『勝利の笑みを君と』)聴いてもらって(笑)
岡:覚えさせますよ。
G:WOWWOW言ってほしい。WOWだったら言えるだろう、多分(笑)
桜:そうだね。
岡:これ結構時間かかったんですよ。
G:これ多分、今までの人生の中で一番かかったんじゃないですか。
桜:そうね。1年半ぐらいかけて。
岡:え、マジですか。
G:毎日やっていたわけじゃないけど。
岡:結構、日本にいるときは出なかったんですけど、外にというか、いろんなところに行かなかったんですけど、海外だったら何かちょっと、気晴らしに行くのもまた。
G:「国境越えるか」みたいな。
岡:何か刺激がなかったりするんで。サッカーばっかりずっとやっていたじゃないですか。
G:でも、ヨーロッパにいる日本人の人たちって、何かやっぱりみんなつながっているのか。
桜:フットワーク軽い。藤田トシ(俊哉)なんかも……。
G:フェイスブックで「ドイツ行きます」って書いたら、ぴゅっとメール来て、「ドイツいんの?行く行く」なんて。
桜:岡崎さんの考えるサッカーの魅力って何かな。
岡:やっぱり11人でやるということが一番かなと思うんですけど。チームで助け合ったり。ミスが多いんです、僕。それを周りがカバーしなきゃいけないし、自分もそれを助けたりしなきゃいけないと思うし、一つのゴールに向かうということで。あとはルール、もちろんポジションとかフォーメーションとかあるけど、やっぱり自由なのが一番いいのかなと。何しても、どう動いてもいいし、例えば自分は足が遅いというコンプレックスが一応あるんですけど、それでも動き方によっては足が速い相手にも勝てるし、そういうチャンスがすごくあるスポーツなのかなという。
G:思い出に残るゴールってありますか。
岡:やっぱり前のワールドカップの予選で決めたゴールですね。第3戦のゴール。岡崎慎司というゴールだと思うし、日本代表に今でもいられるのは、やっぱりあのゴールがあったおかげで、自信持ってサッカーできるようになったゴールかなと思うんですけど。
G:子どもの頃の夢というのは、やっぱりサッカー選手だったんですか。
岡:漠然と。何かプロもあったし、サッカー選手、日本代表というのは思っていましたけど。
G:何が一番、それに対してよく頑張ってからこうなれたというのは、何かありますか。
岡:やっぱり目の前のことにいつも全力を尽くしていたじゃないけど、何も考えずに、やって失敗して、またチャレンジして失敗してって、そういうことが自分ができていたのかなと。自分が下手だと思っていたからかもしれないですけど、失敗を恐れずにいつもチャンレジしていたというのは、今でもそうだし、子どもの頃からずっと続けていることなんで、自分がやれることをやるという。
G:好きな選手に中山(雅史)さんを挙げているのを見たことがあるんですけど、プレースタイルも多分近くて、何か意識します?
岡:やっぱりもともと何で好きになったかというと、他人に「似ているな」と言われているところから、そこから僕も意識し出して、似ているんだなあっていったら、そこからもうゴンさんが目についてしまって。プロに一番最初に入ったときも、ちょうどジュビロとエスパルスの試合するときあって、そのときにゴンさんにサインもらって(笑)部屋に飾ったりとか。ゴンさんの密着とかも見たりして。ゴンさんを追いかけていたんですね。
ジュビロと試合して、一応(ファンだということが)伝わっていたのか知らないですけど、試合終了後に頭突きされるという(笑)めっちゃ嬉しかったですよね。何も言葉なしで頭突きされて。「頑張ろう」って。
G:何だそれは(笑)
―了―
男の対談 イチロー × 矢沢永吉【英雄の哲学 】
男の対談 イチロー × 矢沢永吉【英雄の哲学 】 - YouTube
イ:初めまして、イチローです。
矢:よろしく。
イ:いやもう、光栄です。
矢:こちらこそ。会いたかったです。
イ:ありがとうございます。
矢:どうぞ。ちょっと狭いところですけど。
矢:この間イチローさん、ドラマ見ましたよ。
イ:(照れる)ありがとうございます(笑)
矢:たまたまだったんですけど、僕は正月は毎年仕事しない主義で、飲んでいまして、それでカチッと。パッと出たから、「わあ」と思って、ああ、これなんだと思って、研究も兼ねて見ましたよ(笑)
イ:いかがでしたか(笑)
矢:娘にはっきり言われましたね、「お父さん、イチローさんにちゃんと伝えてて。お父さんより100倍演技上手いから」だって。本当、よかったですよ。
イ:ありがとうございます。
矢:初めてですか、あれは。
イ:初めて。僕は学芸会だって出たことない人間ですから、もう後からいろんな反応を聞かせてもらって、大変なことを僕はやろうとしていたんだなと思いましたね。
矢:歌手がたまにドラマ出たりということは、まあまあないことはないですよね。だから僕も2回ぐらい、どういう世界なのかなということで、一回経験してみたかったから。だけど、野球の現役の選手がドラマに出るというのは、ちょっとあまりないじゃないですか。
イ:「ちょっと」じゃないですね、「全くない」ですね(笑)シーズン中にライトを守っているじゃないですか。で、ろくでもない試合のときもあるんですよ。そういうときに台詞、「古畑(任三郎)さん…」なんてやりながら、やったりしていたんですよね。そうしたらちょっと、3割が危うくなったんですけど(笑)
矢:だから、そのときに、ああ、今度イチローさんにお会いしたときに、何でドラマやろうと思ったんですかということを聞いてみたかったんですね。
イ:やっぱり刺激が欲しかったんですね。
矢:分かりますよ。
イ:それにちょっと飢えてしまっている。何か違う世界から刺激をもらいたい。一流のものに触れれば何か感じるだろうということは想像できましたし、こうやって矢沢さんにお目にかかって、また僕は何かを感じると思うし。それが動機ですかね。
矢:なるほどね、違う扉を開けて、また何か感じる。だからいいことですよね。
イ:100パーでいつもやろうと思うと、結局長い間続かないので、70%、80%の力で人を喜ばせる魅力をそのタレントが持っていないと、僕は続けることは難しいだろうなというふうに感じましたね。僕はもう100%で思い切りいきましたから、もういっぱいいっぱいだったんですからね。
矢:僕は呼吸が違うということを最初思いましたね。やっぱり歌手とかロックシンガーというのは、外に外に出していく呼吸に比べたら、やっぱり役者さんというのは内に内に呼吸をずっと秘めていっている、あの感じ。それをわかっただけでも、ああ、やってよかったなと思いましたけどね。
イ:自分が想像もしなかった自分が現れたみたいな感じがしますね。こんな自分がいたのかという新しい発見があってよかったですね。楽しかったですね。
矢:またやりますか。
イ:いや、調子に乗ると叩かれるのがこの世界ですから(笑)
矢:それとやっぱり、本職がビシっとできていて言えることですからね。
イ:もちろんそうですね。今回だって僕は、2割5分でヒットが150本だったら、とても出られなかったですからね。去年のシーズンって、そういうプレッシャーがあったんですよね。「ドラマ決まっているし、200本打てなかったらシャレにならないな」と思いながら。
矢:言われるからね。
イ:そうなんですよ。
矢:「お前、出てる場合じゃねえぞ」と言ってくるの、周りはすぐ。
イ:もう4年間僕が3割、200本、100得点、30盗塁、ゴールドグラブというのを続けてきて「しまった」ので、ちょっと苦しかったですね、去年。これが1個でもやっぱり……。
矢:すごいよね。それ決めて出て、あそこまでの楽しみ方ができて、一つ別の扉をちゃんと開けられたというのは、最高じゃないですか。
イ:「サイコー!」です。
矢沢さんとこうやってお目にかかるのに当たって、あるコマーシャルの撮影をしていたときに、一つの雑誌があったんですね、偶然。こういう感じで、表紙なんですね。これをできるのはすごいことだって。信じられない。僕もちょうど写真を撮っていたので、ちょっと真似させていただいて(笑)矢沢さんの気持ちになってみようかなと思って、ここに……(写真)しのばせてきたんですけど。
矢:(写真を見て)やったんだ(笑)サイコー!イチローさん、サイコーだね。結構お茶目なんですね。
イ:本当に偶然スチールの撮影をしていて、俺もやってみるよっていって、やってみたんですけど。いや、すごいパワーなんだなというふうに。56歳ということをお聞きしたんですけども、僕実は50歳まで現役バリバリでプレーするというのが、今夢なんですね。これは目標ではなくて大きな夢で、このパワーってどこから来るんだろう。モチベーションとか、すごく興味深かったんですよね。こうやって初対面、今ぱっと見たときに、エネルギーがすごいじゃないですか。
矢:そうですか?
イ:それはやっぱり、初めにぽんと会ったときって、その人のオーラだとかエネルギーって一番感じる瞬間なんですよね。
矢:なるほどね。
イ:僕、今日は矢沢さんにコテンパンにやられたいなというふうに思って、実はここに来たんですけど(笑)
矢:今、イチローさんが「夢なんだけど、自分は50までは現役でやりたいんだよね」と言われたでしょう。僕も30ぐらいのときに、「俺、50まで歌うぞ」。ひょっとしたら、全く表現の仕方こそ違うけど、同じ気持ちなんですよ。やっぱりロックシンガー現役というのは、まあ40ぐらいでいいところだろうと。どんなに人気があっても。50ぐらいになって、まさか武道館でマイク蹴飛ばしてはいけねぇだろうというのがあったんですよ。そういうものがあればあるほど、いや、俺はやるよと。やってみせようじゃないと。あれひょっとしたら、自分のケツ叩きまわったんだと思うんですけどもね。それでまた、そうやって語ること、言うことによって、何といいますか、風呂敷広げてから、もうやらざるを得ないところまで持っていっちゃうみたいな。過ぎた今現在は、ああ、こうやってやるべきものがあるから、俺は幸せなんだなとか、だからまだ生きていけるんだな、みたいなことが、本当にこのぐらいの年になったらすごく思いますね。
イ:どっちかの道があったとしたら、楽な方と、厳しい方とあったとしたら、常に厳しい方を選んで自分を追い込んでいく。その姿勢が結局50歳を超えてまでも残っていることが僕は信じられないですし、大体50歳、40超えて魅力のない人って、もう自分が行くところまでいっちゃって、ちょっと上から物を、若い日とに対して。そんな姿勢で来られるんですよね。自分は世の中のことをたくさん知っていて、いろいろな経験をしている。だから私が教えてあげるよというようなスタンスで来られると、何かこの人、限界なんだろうなというふうに思うんです。
矢:なるほどね。
イ:でも、輝いている人って、常に自分がまた上を目指しているし、常に対等。幾ら年が違っても、目線を同じところまで持ってきてくれる大きさがあるんですよね。それがまさにまさに矢沢さん。今、これだけでも。
矢:イチローさんと僕なんて、20ぐらい違うでしょう。
イ:24、ですね。
矢:24違いますよ。2回り違うんですよ。2回り違うと、やっぱり世代も違うし。違うけど、何か一本共通のものとは何かといったら、僕まだ現役なんですよ、おかげさまで。現役やっていると、さて、今年どうしてやろうかなと。去年はああしたし、今年はどうしなきゃいけないんだろうということに対しては、ちっとも変わっていないんですよね、10年前と20年前とで。そんな上だ、下だ、右だ、左だってことなんかてありゃしないんだよね。だから教えてやろうかと言った段階に、熱くないんです、もう。絶対。実はひょっとしたら、現場にいないのかもわからないね。もうメモリーになっちゃっているのかもしれないよね。そういう意味では、現場にいたいな、現場っていいなと。僕、だからリタイアしたくないと言ったんですよ。昔は、30ぐらいのときは、まだ見えない20年先のことだから、くそ、誰もやったことないのか。50でもし武道館に立って、今と変わらない。マイク蹴飛ばしてやれたら……。よし、「俺、50までやるからヨロシク」と言ったときに、20年先じゃないですか。そうしたら本当に確信があって言っているかといったら、確信なんてありゃしないよ。確信なんてありゃしないが、言いだしっぺだからもう、風呂敷畳まなきゃいけないところまで持っていっちゃう。ということで、ちょっと酔っている自分がいるわけ。「あ、俺言っちゃったな。やべえな」と思いながら。でも、たったかたったか35、40、45って、おいおい、本当にこれ50来ちゃったよと思ったときに、万単位の客のところで、『アイ・ラヴ・ユー、OK』を歌いたいと言ったときに、実は横浜国際競技場で本当にそれを実現したんですよね。50歳のバースデーライブで。セカンドパートの「アイ・ラヴ・ユー、OK 長くつらい道も お前だけを支えに歩いてきた」という詞があるのね。「長く辛い道も、お前だけを」って歌えなくなっちゃったのね。なぜだか歌えなくなっちゃったんですよ。そうしたら客ももう何か感じたんでしょうね。5万人が「うわあ」ってなっちゃったんですね。だから、もしイチローさんが50やって、それで200安打の1発のヒがあって、本当に打っちゃったら、僕泣いちゃうんじゃないかな。誰にといったら、分からない。自分になのか、この時間になのか、何かわからないけど。それでいいと思いますし。
イ:僕、今まで野球やっていて、泣いたことがないので。まあ2軍に落とされてないたことはありますけど(笑)そういう瞬間に巡り合いたいですよね。酔って泣けたことが、今までまだないので。14年間プロ野球でやってきましたけど。でも、それをするには多分、子どもみたいな気持ちで野球を続けられないと達成できないんだろうなって。子どもがどうしてあんなに楽しそうに野球をしているように見えるというと、そんなに上手じゃなくても。楽しいと思っているからなんですよね。好きだから。でも、プロ野球の選手になると、いつの日か、何か楽しそうじゃないな、あいつというのが。そういう人の方が多くなってきてしまう。でも矢沢さんて、子どもなんでしょうね、失礼なんですけど(笑)すごく子どものような気持ちを持って、未だに歌を歌っているという。僕はそんな感じがするんですよね。だから、こんなに輝けるんだと思うんですよ。
矢:昔、はっきり言っていましたよ、「金持ちになりたい」って。金持ちになりたい。僕初めてのインタビューで、「矢沢くん、何で歌手になろうと思ったんですか」と言うから、「お金儲かると聞いたから」と言っちゃったもん、つい。言ったときに、ちょっと怪訝な顔をしていたから。あ、まずいなと。あ、そうだ、「音楽も好きです」って言っちゃったの、俺。
イ:(笑)
矢:バカというか、バカ素直というかね。だけど、満更その気なかったわけじゃないですよ。僕、これも一つのきっかけとしてはいいと思うんです。ビートルズが好きだ、ジョン・レノンみたいになりたい。だけど、当たったらジョン・レノンとかビートルズは俺たちに何を教えたんだろう。こんな一攫千金は狙えるかもわからないということを、ビートルズは教えたんですよ。だから僕、ビートルズの本を読んで一番感じるところって、どうやって契約内容を交わして、そこからブライアン・エプスタインとどういう取り分を決めて……って、すげえなと、そこでギラギラ輝いた自分がいたのね。だけど、現実ってそんなものじゃない。やっぱりいかにいいステージやるか、いいレコードを作るか。町から町、説得し続けていけるかということは、これが現実じゃないですか。それで行って、行って、行っているうちに、俺はもうどうやってもっと上に行かなきゃいけないか。どうやって持っていくのか。それはもう当たり前の話ですよね。やっぱり音楽好きなんですよ。いいステージしたいんです。それでステージに立って、客がもうアンコールでこうなったときに、「今日サイコー」と思っている自分がいるわけですよ。50まで歌えますと言って、50過ぎました。今、僕歌やめない。何でやめないかといったら、僕わかるんです。ミック・ジャガーとかローリング・ストーンズがお金のために歌っていませんよ、もう。とっくに彼らそれをクリアしていますよ。だけど、なぜやめない。もうやめないんですよ。そこには絶対やめられない、音楽とずっと遊んでいたい自分がいるんですよ。今を楽しんでいるんだ。やることがあるから嬉しいんだという人は、理屈なんかないんだよ。ただやっているんだよ。ひたすらやっているんですよね。こういう、やれるものを持っているという、これに対する感謝。今、世の中で何をみんな探しているかといったら、負えるものを持っているかどうかの戦いでしょう。そう思ったときに、ああ、俺はツイているなと。最初はビートルズに憧れて、何に憧れて、音楽したくて、女にキャーキャー言われたくて、ええかっこしたくてスタートしたんだけど、本当は絶対僕は音楽は好きだったんですよ。本当にその上っ面のことだけだったら、とっくに神様は終わらせていますよ、もうやめなって言っていると僕は思うのね。
僕、イチローさんに今日初めてお会いするんだけど、ちょっとこれは失礼な言い方に聞こえるかもわからないですけど、矢沢の若いときに似ていますよ。
イ:そうですか(笑)
矢:似てます、似てます。ちょっと違う点は、僕は柄悪かったですから。イチローさんはやっぱりちゃんとお話しする。僕は若いときには、自分だけが言って「ciao(チャオ イタリア語のあいさつ)」という感じありましたから、もう誤解されまくっていましたけどね。50歳まで、多分イチローさん本当にやると思いますよ。誰のためにって、誰のためでもないですよ。自分ですよ。自分がそうしていたいんですよ。多分イチローさんも、いっぱいいろんな人に言われると思う。こういう時はどうだったんですか。イチローさんの気持ちを聞きたいですとか言われる。そんな面倒くさいことなんか、ないんですよね。
イ:(笑)説明できないこと、たくさんあるんですよね。
矢:「野球好きだから」っていうの、ありませんか。
イ:ありますね。
矢:すごく野球が好きだし、やっぱりあの頃と変わっていないところがいっぱいあるんだよね、俺。高校のときとというの、ないですか。
イ:ありますね。
矢:僕だってそうですもん。ビートルズ聞いて、「わあ、俺東京に行く」と言ったの、今でもありますもん、どこかに。それ一緒ですよ。
イ:最初に行った1年、2年と今というのは、ちょっと印象が変わっていて、最初はやっぱりすごいなと思いましたね。同じ人間とは思えないというふうに思いましたけど、でも日本にいるときの方がもっとすごいと思っていたんですよ、僕。あいつら怪獣だと思っていましたからね、大リーガーって。絶対怪獣だと思っていて、とても僕なんか行っても、太刀打ちなんかできないと思っていたものが、行ってみると、彼らはやっぱり人間だったって感じたんです。やっぱりすごいですね、持っているポテンシャルというのは。ただ、ここ(頭?)がちょっと。そこが日本人ってすごいんだなって。
矢:ちょっと挟んで悪いんだけど、イチローさんって面白いって思った。多分矢沢も30ぐらいのときは、はっきり言っていたんだろうね。ここがちょっとねって。言ってたもん、俺も。ここがちょっとよろしくないよねって言うけど、今言わないもんね。今のそのシーンだけで、端々に、イチローさん、結構言うよねというのがぽん、ぽんってあるわけ。僕も同じ。海の向こうは本場中の本場。で、行くでしょう。すげえ。出る音、何でこんなにすごいんだと。一緒に酒飲んだり、一緒にレコード作ったり、ライブの話になると、いろいろ見えてくるんですよ。ネゴシ(negotiation交渉)のこととか何とかというのは、欧米というのはもうすごく進んでいますからね。日本人みたいに、言いたいことを言わないで、後でぐちゃぐちゃ揉めるというの、向こうは逆だから。最初にぴしっと言うからね。ネゴシの話は。そして決まったらもうあとは仕事の話ということをはっきりしていますよね。だけど、こっちも負けていないよというのがあるんですよ。それで、それがもっともっと進むと、ちょっと待ってよ、これクライアントは誰なんだい。クライアントは俺だと。ああ、金を払っているクライアントが一番イニシアチブを持つべきだとわかったりもするんです。
あるとき、イエス・ノーをすごくはっきりしなきゃいけないじゃないですか、向こうは。それで、「ノー」をはっきり言うと、尊敬してくるんですよ。尊敬なのかな。ああ、普通にちゃんと話さなきゃ通らないなということを認識するんですよ。イチローさんは、「いや、すごいんだけど、ちょっとココがね」って(笑)
イ:だから僕らがそこでカバーできるのかなというふうに思いますね。彼らがそれを使い出したら、ちょっと適わないなって。それは今でも思いますね。
矢:日本人のやっぱり勤勉さじゃないですかね。それは外に行くとわかりますよね。
イ:こうやってオフにちょっと帰ってくるだけでも、迎えてくれましたね、航空会社の方が。こうやって、「ありがとうございました」って。あの行為ってすごいなって思いますね。れだけでいろんなことを感じさせてくれるし、いろんなことが伝えられる。僕、日本の文化とかというのが、日本にいたときは全然そんなこと思ったこともなかったですけど、あっちに5年いて、日本が僕は大好きになりましたね。
イ:まず僕はシアトルというちょっと田舎にいるので、なかなか外に出て気分転換をする場所ってないんですよね。だから家の中をどれだけ充実させるかというふうに考えると、多少やっぱり投資をしてしまうわけですよ、無理をしてでもね。結局その場所が快適にならないと、気持ちよくグラウンドに僕は立てないわけですから、体のケアと同じように、家のケアというのはやっている。それが結局、50まで野球をやるために、僕は大事なことだというふうに思っているので、それに必要なものだったら、ある程度無理をしてでも手に入れるというのが僕の考えですね。
矢:今、向こうに何カ月ぐらい住んでいるんですか。
イ:2月の終わりから11月終わりぐらいまでですね。
矢:ほとんど向こう。
イ:そうですね。10カ月ですね。
矢:だったら家、要りますよね。
イ:それはアリゾナのキャンプ地だったり、シアトルだったりとかするんですけど。
矢:僕は家にいないなあ。
イ:笑
矢:だから結局は、ホテルの方が落ち着くんだと言っていますけどね。それだけ町から町、レコーディングスタジオ。だけど、どうかな。どちらにせよ、仕事やっているんですよ。イチローさんも矢沢も仕事やっているんですよ。
イ:マイクをばあんと蹴飛ばして、もうめちゃめちゃ熱いじゃないですか。あれが終わって幕が閉じたときに、「ああ、しんどいな」とかってないんですか。
矢:もうバリバリ。めちゃくちゃ。
イ:そうなんだ(笑)
矢:だってシャワー行くでしょう。ぽっと行って、背中ちょっと痛いよなと思ってさわると、血が出ているのね。マイクターンで背中まともに売っているのね。ばあんと。毎晩じゃないですけど。痛いなあと思うと血が出ている。打ち身だよね(笑)で、シャワー浴びて、もうぐったり。若いときはそれはもう、30ぐらいのときは、ばあっと歌って、「さあて、今日も飲みにいくぞ」って感じだったんですけど。
イ:これ(21:51ジェスチャア?)なんですね。
矢:あの頃まだ、たばこもガンガン吸っていたから。今はシャワー浴びて、「さあて、今日は……」、いいステージのときは、このシャワーが妙に心地いいんですよ。今日はいいステージやったな、みたいな。50代過ぎますと、1個1個の仕事が渋くなりますから、いいですよ。楽しみにしていてください。
イ:それはでも、そういう姿というのは見せないわけですよね、表に。
矢:もちろん、もちろん。全く見せる必要ないし。だってオーディエンスは、矢沢が56だとか51だとか、関係ないですからね。矢沢が30だろうが56だろうが、いいから、俺たちと一緒に乗っけてよみたいな感じだから。だから、終わった後に思うんじゃないですか。すごいステージだった。ところで、矢沢って今、五十幾つなんじゃないというのを、後で思うんじゃないですか。本人は何かといったらもう、シャワーでへばっちゃっているもん。だけど、心地いいへばり。それはもう人に見せない。終わった後、自分で感じてね。
イ:例えばそういう状態で町を歩かなきゃいけない状況になって、足をちょっとでも引きずっているとするじゃないですか。でも、ファンの人が見ていると思ったら、もうしっかりと歩くんですか。そこは。
矢:町は歩かないけど。歩いたと仮定して。歩いて、じゃ、そのとき痛かったと、膝が。膝が痛いってやっていられないでしょうね。もうちょっときちっとしなきゃいかんし、やっぱり。
イ:ターンしちゃうわけですよね。
矢:しようがないですよ。スターですから(笑)
イ:そこがすごく興味深い、僕は。
イ:ちょっと変わってきましたね、最近。以前は常にイチローの仮面をかぶっていた。飯食っているときもそうでしたし、常にやっぱり、人目にさらされる可能性のあるところでは、常に「イチロー」だったんですけど、ある時から、それはもうグラウンドの上、基本的には。野球場でそうしていればいい。それ以外のところは自分らしくいたいなという瞬間が訪れて、それを脱ぎ出したんです、僕、最近。
矢:幾つぐらいのとき。
イ:まだ3年ぐらいですかね、この……。
矢:だから、28。
イ:そうですね、28、9。
矢:僕も同じだった。28じゃなくて、僕もそういうときありましたよ。もう頭に来たの。どこ行っても「矢沢、矢沢」って見るなと。多分イチローさんの場合は、そうやって仮面を脱いで、自分、今度は鈴木一朗ということを出しても、どこかはちゃんとキープした上であったと思うんですけど、僕は一回ぼろぼろになってやろうかと思うぐらいのときがありましたね。結構一時期、めちゃくちゃ酒飲みまくって、ああ、どのぐらいかな。毎日といっていいぐらい、朝8時ぐらいまで飲んでいるぐらいのときがありましたね。それでよく冗談で僕、「矢沢?矢沢が何ぼのもんよって」って自分で言うんですよ、飲みながら。「そんなもん、フルチンで六本木走ってやろうか」と。そうしたら矢沢、一瞬で終わるんじゃないって。やっちゃおうかな、俺みたいな。自分を痛めつけたいぐらいのときがありましたね。28、32ぐらい。その位の頃。それはどうしてかというと、やっぱりどこかで疲れているんだよね。やっぱり尋常じゃないと思いますよ、人間。人に見られているとか、そういうことを長いことやっていると、普通じゃないよね、これ。ナチュラルじゃないもんね。そうすると、何でということで、自問自答の中で、何でって。これ予定外じゃない。俺はだって、ただ歌で成功したかったのにって。歌で上へ行きたかった。それがプラス・アルファでこういうものがあるというものは計算になかったよ。これは虚像の世界の闘いになるんでしょうけども。それを今度またイチローさん、超えると、面白いことが起きるのよ。45ぐらいになったら、「そうだ、俺は矢沢なんだ」と。そうか。俺を応援してくれるファンのみんなの矢沢なんだ。そう、みんなの矢沢をちゃんと。今度はもう一皮むけた矢沢永吉をやろうと思うんですよ。今、そういうところがあります。みんなの谷沢永吉なんだと。これ50になってからだね。
だから僕も、30の頭ぐらいのときに、こんな仮面なんか、何ぼのもんよ、矢沢永吉なんか。こんな仮面脱いでやる。俺はステージの上ではびっちりやるけども、ステージ降りたら放っておいてくれよと。だからそれだけ真面目なのかもしれない。よく言えば。自分は結構真面目なのかもしれない。不器用なのかもしれないですね。
イ:僕の場合はイチローというものが先にぽんと突っ走ってしまったので、それを追いかける僕がいたんですね。イチローに早く追いつきたい。それがいつの日か、これが3年くらい前なんですけど、イチローをちょっと抜いちゃったかな、僕みたいな感覚が出てきたんです。そのときに初めてイチローと鈴木一朗というものを僕の中で分離させることができて、イチローはイチロー。だから、「E.Yazawa」と「矢沢永吉さん」という、そういう感じで僕の中でもイチローと鈴木一朗みたいなふうに分離した瞬間があったんですよね。そうなったときに、物すごく楽になりましたね。
僕は人目に触れる場所にもよく行くので、一般の人ともすごく触れ合うんですね。そのときに、「こんな感じの人だったんだ」というふうによく言われるんです。中には、「会わなきゃよかった」と言う人もいますけど(笑)でも、それはそれでいいかなという。それが嫌だったんです、昔。昔というのは、その前までは。イチローのままでいたい。それが好きでいてくれる人に対して、イチローを僕も演じようと。期待は裏切らない。だから、割と物静かでぶっきらぼうで、みたいなイメージがあるらしいですけど、そのままでいたんですよね。もう疲れちゃって。
矢:どういうところに行きます。どこでも。
イ:どこでも行きますね。「ドン・キホーテ」も行きますし。
矢:居酒屋でも行くし。
イ:東急ハンズもセブンイレブンも行きますし。そんな感じですね。
矢:それで、普通にして、普通に帰って。すごく楽になったですか。
イ:物すごく楽になりましたね。
矢:いいですね。
イ:ただ、それを超えるときがまた来ると(矢沢さんが)おっしゃって、それはまた楽しみですね。
矢:でも、イチローさんの場合、どうだろう。今話聞いて、今度は鈴木一朗というものを分離させたんだと。そうしたらすごく楽になったんだというところで、僕、イチローさんの場合、すごく完結したと思うけどな。
イ:そうなんですかね。
矢:うん。これでこのまま行けば行くほどいいんじゃないですか。
イチローさんにちょっと聞きたいんですけど、奥様か友人か何かがアドバイスがあったとか、もしくは自分の中で苦しんだ上で、俺はもう嫌だと。これはもうこうやってやるんだというふうにやったんだと、どっちなんですか。
イ:人からのアドバイスでないことは確かです。自分の中で何か、人に対してもそうですし、自分に対しても、今までミスをすること、失敗を許さなかったんですね。自分にも厳しくしてきた。でも、人にも厳しくしてきた。こういうスタンスだったんです。これが。そんなこともするよなって。他人同士付き合っていたら、嫌なところいっぱいあるけど、でも、いいところもある。そこに目が行くようになったんですね。自分も完璧にやりたいと思っていたけど、それはやるよなって。何か自分自身の中でも。これは甘くという意味ではなくて、何か許してしまうと。その許す気持ちが出てきたときに、ああ、これイチローより俺上行っちゃったのかなって感じたんです。そこなんですよね、分離できたというのは。
矢:なるほど。それが先ほど言ったように、「上行った感」を、ちょっと行っちゃったのかなと思えたんだというのは、そういう意味ね。
イ:そういうことなんです。だから、完璧にそれはもちろんできないですけど、今、自分の中でやりたいなと思っていることは、自分にはもちろん厳しく、でも人には寛容にということができたら。
矢:それ、最高だね。
イ:それはもう最高だし。
矢:僕それ聞いていて恥ずかしいよ、自分が。そうしたいね。
イ:それがもちろんできないんですけど。
矢:いやいや。
イ:でも、これが10回のうち、以前は10回ともできなかったものが、1回や2回とかってできるようになってきている感覚を持ってきたので、何かちょっといいなと思っているんですけどね。
矢:すごくいいね。すごくいい。僕らというか、少なくともこういう人に見られている仕事やっている人は、ほとんどの多くの人が、そういう壁に一回ぶつかるんだろうね。自問自答するんですよ。こんなはずだったのかなみたいな。俺はビートルズになりたかっただけなのに、何故こんなに居心地悪いんだと。こういうところに一回は行くんですよね。それでそこから抜け出せない人と、それをちゃんと消化して、もうこんなの嘘だよって。仕事はもちろん頑張るし、これからももっと自分はいステージやってやるし、いいバッター、もっとヒット打ってやるしって。だから僕の場合は50になって入って、また別の、ああ、そうか。俺はファンみんなに支えられて、そういう人たちのための矢沢永吉でもあるんだというふうに思えたって。でも、イチローさんの話聞いていると、その段階でもう一つできているね。
イ:一応、野球選手として今まで自分が自分に厳しくしてきたし、恥ずかしいことはしてこなかったプライドがある。それを感じて、それを自覚して、今までは人のことを喜ばそう。どうやったら喜んでもらえるんだろうと思いながらプレーしてきたんです。でも、そういうときって、お客さん来てくれないんですよね。喜んでもらえない。じゃ、お前ら見とけ。俺は今までどおりやる。俺が好きなようにやると。ついてこれるならついて来いと。イチローを見る一ファンとして、僕についてこれるならついてきてみろというような、ちょっと気持ちが芽生えてきたんですね。そうすると、子どもみたいな雰囲気が出るみたいなんですよね。野球をしている姿というのは、本来の姿に戻っていく。そうすると、見ている人も喜んでくれる。ちょっと今まで順番を履き違えてきたかな。でも、その回り道をしないと、結局そこにたどり着かないということだと思うんですよね。近道をもちろんしたいし、簡単にできたら楽なんですけど、でも、そんなことは一流になるためにはもちろん不可能なことで、一番の近道は遠回りをすることだというふうな感覚を今持ってやっているんですよね。それが唯一の道なんじゃないかと。
矢:やっぱりナマモン(生物)というか、しょっちゅう動いている、変化していく。右の方に変化すれば、それに対応するように、こちらもまた考えなきゃいけないし。だから面白いんじゃないですか。それでやることがあるんですよ。やることがあるし、対応の仕方変えなきゃいかんし。だからやり続けられるし。だから、これが変化もなくなってパターン化してこうなったら、つまらないじゃないですか。もう変える必要もなくなってきたときには、もう熱くもないし、本当にもう終わっちゃうんじゃない。声の張りの出ている日と出ないとき、僕しか分からないのありますもん。「うわ、出ているよ、今日の声」というのがありますからね。それはその差みたいなもの、オーディエンスはちょっと分かっていなくても、僕はもう「わあ、今日サイコー」。昨日睡眠2時間多かったからとかね、ありますよ。だから、それがいいんですよ、ナマモンなんですよね、やっぱり。だから、どこまで歌えるかわからないけど、自分でわかるでしょうね、もういいなというとき。でも、もういいなんてないのかもわからないよ。多分それで終わるんじゃないかな、そのうち。
イ:僕らの世界もやっぱり形がこれでいいというものがないんですね。同じ結果だとしても、そこで出ている、それをするためのプロセスは絶対に違うし、その形も絶対に違う。肉体的にも変わってくる、精神的にも変わってくる。そこで形は同じに見えても、そこで表現されているものというのは全然違うものだったりするんですよね。常に見つけたいし、これでいい。その瞬間は、今はこれでいいと思うんですけど、でも1週間後にはまたそれが変わってくる。それをまた見つけなくてはいけない。この繰り返しなんですよね。これが面白いし、野球を続けられるモチベーションなんですよね。終わりがないこと。しかも、バッティングというのは、10回やって3回成功すれば、うまくいけば一流だと言われる世界。7回は失敗できる。これが9回打たなくてはいけない世界だと、かなり苦しいですよ。1回しか失敗できないわけですから。7回失敗できることが僕らの救いではあるんですよね。この中にいろんな可能性が含まれている。それをこれからも探していきたいと思っているし、その気持ちがあれば、恐らく野球が好きだという気持ちが薄れることはないと思うので、ここまで野球が好きでいられているということは、恐らくこれから先も、その気持ちは薄れないと思うんですよね。どこかで揺らいでいる自分がいたら、もう終わっているはず。でも、ここまで来ているので、その気持ちを大切にしていきたい。いつまでもその気持ち。子どものような気持ちで野球に向かっていけたら。「最高
ですね。
矢:「好きでいたい」、それなんだよね。好きなんだよ。好きじゃなきゃダメなんですよ、やっぱり。すごくシンプルだよね。そのとおりなんですよ。
イ:そう。
矢:イチローさん、ありがとうございました。
イ:本当に何かエネルギッシュで、もう圧倒されました。とてもとても……。
矢:僕今日、「ああ、いいこと聞いたなあ」というのが、2、3カ所ありました。
イ:ありがとうございます。
矢:こういう感じですか。
―了―