アスリートの対談から人生を学ぶ

一流アスリートの対談

【対談】 落合博満 × 野村克也

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野村:考えたら、安物の三冠王と、メジャーの三冠王
落合:何言ってるんですか。
野村:三冠王対談じゃない。ん?
野村:俺はまぐれで三冠王。彼は実力で三冠王。三回も獲って。
落合:あと 2回取る予定だったんですけど。やろうと思えば獲れたと思う。
野村:俺、本当にラッキーな三冠王。出場者の常連の張本、榎本、ブルームみんなこぞって調子悪かった。口揃えて調子悪かった。
落合:あれは本当に運がありますよ。くるってもん。
野村:あんたのは実力だよ。俺の価値下げた人だからよ。
 
 
野村:いや、試合終わってから、記者にしゃべらないっていうんで記者連中困ってるんだよ。
落合:だって、記者連中野球を理解しようとしないもの。
野村:しゃべってあげなさいよ。野球教えてやるんだよ。やっぱり人気商売だから。
落合:だから、ノムさん、この年になったから。
野村:いやいや、俺はずっと。
落合:いや違う違う違う。
野村:試合のあと、談話言ってるがな。
落合:いや違う違う。
野村:過剰なぐらいサービスしてる。
落合:理解してくれりゃいいけど
野村:理解させればいいんだよ。
落合:野球界でね、一番マスコミの紙面の作り方で嫌いなのが、監督が先に来るでしょ。
野村:どういうこと?例えば。
落合:例えば、野村楽天だとか。ね。選手行けよって。俺は監督やってるけど、別に。
野村:その論理はおかしいんじゃない。
落合:なんで?
野村:監督はリーダーや。
落合:リーダーだけど。リーダー毎日。。
野村:先発を決めるのは監督や。
落合:うちピッチングコーチだもん。
野村:ピッチャーだけだろ。そりゃ。最終的には確認するでしょ。だから監督なんですよ。
落合:監督だけども、監督ばかり毎日一面行ってるようじゃ駄目だって。進歩がなくて。
野村:いいんだ。いいんだ。あなたはもういいから。マスコミに黙ってサービスしなさい。あんた。監督は監督の立場で。みんな聞きたいんだから。
落合:いやでも。
野村:本題に入りたいんだけど。
落合:今の本題じゃないの?
野村:今のはウォーミングアップ。
 
 
野村:今年の中日を教えてほしいんだけど。
落合:やっと監督の考えていることが、ちょっと選手がわかりはじめたかな。というその第一歩目じゃないかな?
野村:8年で?ああ、そう。石の上にも 3年。
落合:3年じゃとてもじゃないけどできないです。
野村:だから俺失敗したのかな。
落合:3年じゃできない。
野村:太いきずながね。
落合:今の子は出ないです。自分が悪いっていう、自分に責任があるっていうことを自覚しない年代。監督は好き嫌いがあって正当なる評価されてんじゃない。だから俺はゲームに出られない。っていう。そういうのはね、やっぱりここ何年かずっと選手の中にもやもやしたものがあると思う。
野村:ああ、そう。
落合:ところが、キャンプに来て、ああ、この子ら動きが変わったな。
今年のキャンプが一番見てて、おおやっぱりこいつら一番成長してきているな、というのがよくわかる年。
 
野村:本題に入りたいんだけど。
落合:まだ入っていないの?
 
野村:ペナントレースどう?考えてるのは。今年のライバルチーム、マークするチームっていうのはあるの?
落合:ある程度ね、よその 11球団補強しているでしょ。うちはほとんど補強していないでしょ。
野村:マークするチームってやっぱり巨人?
落合:いや全部です。
野村:そりゃまあそうだけど。その中で。
落合:そこに 24敗してもどっかで 24勝すりゃ 5分でしょ。
野村:落合は本当に本音言わないからな。
落合:本音ですよ。これが本音。だから最低線このくらまでいってもらわないと困る、という計算は立てるけども。
野村:数字に強そうだね。学生の頃数字得意?
落合:ああ得意です。数字面白いです。
野村:それは意外だな。
落合:ノムさん文系でしょ?
野村:ラブレターなんて書いたことないよ。
落合:ラブレター書くから文系ってことじゃないですよ。
 
野村:あんまり野球の話してくれないね。中日の今年はどうだって聞いてるんだよ。
落合:だから、数字の話にいっちゃったから、こう。いろいろこうなるんですよ。
野村:ライバル球団はって言っているのに。
落合:全部。
野村:おお、本当。本音かね?それ。
 
野村:そりゃあそうと、あんたすごい練習するね。
落合:やらなきゃ、このへたっぴ、うまくなんないじゃない。
野村:俺ね、昔聞いた、ある専門家に聞いたことあるんだけど、人間の集中力って 40分です。夕方までやってるっちゅうじゃないよ。その根拠何よ。
落合:俺これが普通なんだと思う。練習の仕方やり方を知らない子に、それを教えてやらないっていうのは俺は指導者の怠慢だと思ってるから。
野村:これはしかしすごいわ。昔の野球だ。
落合:俺はその昔の野球を今の野球界に絶対に取り入れなきゃいけないと思っていた方だから。でも、この原因を作ったのはノムさんだからね。
野村:ええ?ええ?
落合:この練習しなくなった原因を作ったのは、半分はノムさんだよ。自分なりに考えたのは、野村さんの場合は、俺は狩猟民族の考え方なんだろうと思う。
野村:狩猟民族、なんで?
落合:狩猟民族って言われたことないでしょう?
野村:狩猟民族かな?俺。はじめて聞いたわ。
落合:だってどっちかというと戦略家でしょ?
野村:いろいろ考えるのは好き。
落合:でしょ?そういう風に教育していったでしょ。で、相手がそうせざるを得ないような状況を作っていったでしょ?狩りってそうでしょ?頭で勉強さして、戦略を考えて、誘いこんでそこへ取り込んで相手を打っていく。教えたのは大体そういうことじゃないですか?相手の配球やらなにやら。
野村:野球とはっていうのは。どうこさえるの?
落合:野球?
野村:俺は、野球って言うのは頭のスポーツだ、って言っているでしょ。
落合:それは否定しません。ただ、そのキャンプとかなんかのやり方をみているとね、先にそっちを教えているんだろな、って思うんですよ。
 
野村:選手集めてミーティングてあんまりやんないの?
落合:やんないです。
野村:必要なんだよ。俺毎晩ミーティングだよ。
落合:俺、ミーティング嫌いなんですよ。もう。
野村:嫌いとか好きとかじゃなくて。
落合:だって。
野村:人間て、第一さ、思考と感情と二大要素を持っているのが人間じゃない。それを存分に生かして生きていくっていうのは当たり前のことじゃん。
落合:その当たり前のことが、ほら考えられないっていう人がいっぱい。だったらうちの場合は、頭使うよりもまずやらして体で覚えさせて、それができるのかできないのか。それでなくても練習をしない球団なんだから。俺、楽天の練習って、ノムさんいたけど、この練習で足りてるのかな?って感じたことあったもん。毎日報告書来るから。
 
野村:そうだよ。すごいって思って中日。落合監督、全部情報取りに来ているんだよね。
落合:だから、例えば 2 1日キャンプインとなれば 1月の 30日ぐらいから、もう全部張り付いますから。
野村:スコアラー何人全部で?
落合:10何人いるのかな?
野村:これはまたすごいね。すごい発想だ。 10何人もいるの?楽天 3人かな?
落合:ある種情報戦だろうなって思ってるし。
 
野村:スコアラー、見る目っていうのはみんな持っているわけですね。当然。
落合:だから、やらしてて。
野村:いい報告降りてくる?
落合:やらしてて駄目なやつは何人か変えているから。
野村:ああ、厳しいんだね。
落合:はい、厳しいです。スコアラーも自分らで張り合っているから。やっぱり負け越しする奴はね、やっぱりシュンとなるけど、絶対次は勝てるなんか細かいこと絶対に見つけてやるっていう。
野村:落合やらしいじゃない。俺とは正反対だな?プラス思考。
落合:私マイナス思考ですよ。
野村:そう?
落合:超マイナス、おそらく、ノムさんよりマイナス志向だと思う。
野村:自身満々に聞こえるけど。
落合:ただ、俺のできないことをこいつらにやれって言ったって無理だよな。俺ができないことをやれるはずはないんだ。レギュラー何年も張っている人って言うのは、コーチの話は聞きたくないっていう、お前らには言われたくないよっていう選手もいるんですよ。でも、うちの球団の中で、それを言えるのはこのチームでは俺一人しかいないと思ってる。だったら俺の数字抜いてみろ、それから能書き垂れろっていう。
野村:すごい説得力だね。俺の数字抜けっていうのは。
落合:ノムさん言わない?
野村:言ったことない。
落合:優しいんだね。